「現物ETFが価格上昇を前倒し」
米ナスダック上場ビットコイン(BTC)マイニング企業マラソン・デジタルのフレッド・ティールCEOは、半減期はすでに現在のビットコイン価格に織り込まれている可能性があると話した。ブルームバーグが10日に報じた。
ティール氏は、1月に米国でビットコイン現物ETFが承認されたことに触れて次のように話している。
ETF承認は大成功を収めて市場に資本を呼び込んでおり、半減期後の3~6か月で通常見られたであろう価格上昇を、実質的に前倒ししたと思う。
半減期とは
ビットコインなど仮想通貨のマイニング報酬(=新規発行量)が半分に減るタイミングを指す。仮想通貨にはインフレを防ぐために「発行上限」が定められているものが多く、一定周期で訪れる半減期の度に、新規発行量が半分に減る仕組みになっている。供給量が減ることで希少価値が大幅に上昇し、価格が高騰しやすくなるため、仮想通貨特有の注目イベントでもある。
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ティール氏は、「半減期により、ビットコインの供給量は1日当たり約450枚減少することになり、おそらく価格に多少の影響は与えるだろう」と述べた。
また半減期後には、マラソンが利益を維持するための損益分岐点は1ビットコインあたり約46,000ドル(約700万円)になるだろうと見積もっている。その上で、次のように話した。
半減期の前に価格が下落しなかったのだから、マイニング事業者として、半減期に入るのを非常に楽しみにしている。現在ビットコイン価格は上昇しており、様々な者がその状況を最大限に活用している状況だ。
半減期後には、ビットコインの採掘報酬が6.25BTCから3.125BTCへ半減し、マイニング企業の利益率に打撃を与えることになる。ティール氏は以前、半減期はマラソンにとって、財政的なストレスを受けた小規模マイナーを合併するチャンスにもなると話していた。
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半減期に慎重論も
半減期はビットコイン供給が減ることから価格上昇が期待されるイベントともなるが、慎重論を唱える者も複数いる。
例えば、仮想通貨取引所BitMEXの創業者であるアーサー・ヘイズ氏は8日、 ビットコインは、半減期前後に売り圧力に晒されると意見した。今回の半減期が、米国の納税期限やFRBの量的引き締め政策などの影響で米ドルの流動性が低下する時期に重なることを理由としている。
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また、大手仮想通貨取引所コインベースは5日、2011年以降、ビットコインの月間平均運用益は6月から9月に低下する傾向があったことなどを指摘。半減期は、仮想通貨市場が低迷する時期と重なると述べている。
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$BTC demand growth seems to be a major driver of higher prices post-halving.
— CryptoQuant.com (@cryptoquant_com) April 9, 2024
In past cycles, #Bitcoin demand growth from large holders/whales (violet area) has spiked, fueling the price rally.
Currently, demand growth is around the highest ever (11% MoM). pic.twitter.com/PefL54jPlC
一方で、仮想通貨分析企業CryptoQuantは、過去のサイクルではクジラ(大口保有者)の需要が価格を押し上げていたと分析。現在もクジラからの需要が高まっていると述べた。
ただ、クジラによる売却がビットコインの新規発行量を上回り、価格上昇を抑える可能性も指摘している。