米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
米国でトークン発行する場合の注意点
米大手ベンチャーキャピタル企業アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は25日、暗号資産(仮想通貨)トークンを発行するにあたっての推奨事項を解説する記事を発表した。
a16zは、次の5つについて解説している。いずれも特に米証券取引委員会(SEC)に発行などを阻止されないことを重点としたものだ。
- 米国で、資金調達を目的としてトークンを公に販売してはいけない
- 分散化を目標とする
- コミュニケーションを重要視する
- 流通市場への上場や流動性に注意する
- トークン立ち上げから一年間はトークンのロックアップを行う
まず1番目に関しては、SECによりトークンが「証券」とみなされるリスクに関するものだ。特に、資金調達を行うICO(イニシャルコインオファリング)はその危険が高まる。
a16zは、ICOは多くの場合、証券性を判断するのに使われる「ハウイーテスト」の条件を満たすものになると指摘した。このテストは、「他人の起業家的努力によって利益を得られることが合理的に期待されるような、共有事業への投資」などに証券性を付与するものだ。
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分散化の重要性
2番目の分散化について、a16zは、「プロジェクトが証券法の適用を避けることができる唯一の道」だと述べている。
具体的な施策としては例えば、バリデータやスマートコントラクトの展開をパーミッションレスにすること、ネットワークを開発する独立した開発者の総数を増やすこと、トークン保有が一部の者に集中化するのを抑制することを挙げた。
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3番目については、CEOによる誤った発言一つでもプロジェクト全体を危険にさらす可能性があるとして、コミュニケーションの大切さを強調している。特に、SECにより「証券」だとみなされるような発言は避けるべきとした。
例えば、トークンのリリース後に、トークンの潜在的な価値について議論したり、トークン価値を将来的に高めるメカニズムに言及するなど、投資機会として示唆することを控えるべきとしている。
4番目についても、証券性が関わっている。まずa16zは、仮想通貨取引所などの二次市場にトークンを上場させアクセスを増やしたり、マーケットメーカーを通じて流動性を供給することは、トークン価格の安定性にとって有効だと指摘。
その上で、「十分な分散化」を達成したか確信が持てない段階のプロジェクトは、そのトークンが取引所に上場されるという投稿や、米国内でのマーケットメイク活動を行うべきではないとしている。SECがこうした活動を理由に証券性を指摘する可能性があるとする形だ。
5番目については、充分なトークンのロックアップ期間(VC投資家などの初期投資家が転送できない期間)を設定しない場合、SECがトークン発行を阻止する可能性があると述べている。
理想的には、ロックアップは1年経ってから解除され、さらに3年間は段階的なリリース期間とすることを推奨した。この方法は、トークンの価格下落圧力を軽減し、プロジェクトを長期的に成功させることにもつながるとしている。
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