はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、2018年にICOで資金調達したThor Technologiesを証券法違反で提訴

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ICOで証券法違反の申し立て

米証券取引委員会(SEC)は21日、Thor Technologiesとその創業者らが、2018年に実施したイニシャル・コイン・オファリング(ICO)による資金調達が、米国証券法に違反していたとする内容の訴状を公開した。利益の返還や民事罰を求めている。

Thorの共同創業者であるDavid Chin氏、Matthew Moravec氏は、2018年3月から5月にかけて、ギグ・エコノミー労働者と企業のためのプラットフォームを開発する事業資金を調達するため「Thorトークン」と名付けられた暗号資産(仮想通貨)を一般投資家に販売していた。

SECの主張によれば、この際、horはトークンの価値上昇の可能性を宣伝しており、トークンが将来的に仮想通貨取引プラットフォームで利用可能になると主張するなど、SECの承認を得ずにThorトークンを「投資機会」として販売したと申し立てている。

販売期間中Thorはプラットフォームを開発しておらず、Thorトークンは実用的な用途を持たなかった。このことから、投資家は将来的に創業者らの経営努力によって価値が上がるかもしれないと考えてトークンを購入したとする見方だ。

SECはThorトークンのICOは、未登録証券の販売に該当するしている。Thorトークンは、投資家から現金や仮想通貨で約3.4億円(260万ドル)を集めたが、SECに登録されておらず、登録免除を受ける資格もなかったと指摘した。

SECは証券の定義について、「投資契約を含む様々な投資手段が含まれる。投資契約とは、他者の起業的または経営的努力から得られる利益を期待して、事業に資金を投じる取引」だと説明した。

SECは、不正に得たとされる利益や利息の返還、および差止命令と民事罰を求めている。

ICOとは

「Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開」のことで、企業やプロジェクトが、独自の仮想通貨トークンを発行・販売し、資金調達する行為を指す。ハイリスクハイリターンで投機的側面が強い反面、各国の法整備が追い付いていないことで、詐欺まがいのICOが横行するなど問題点も多く、国際的な規制強化が協調路線にある。

▶️仮想通貨用語集

1人はすでに和解に同意

被告のうちMoravec氏は、すでにSECと和解することに同意した。和解することで同氏は、仮想通貨証券のいかなる販売にも3年間参加することを禁じられる。

また、利益・利息を約6,300万円(約48万ドル)返還し、罰金として約125万円(9万5,000ドル)を支払うことになる。この和解は、まだ裁判所の承認を必要としているところだ。

未登録証券を問題とした訴訟

SECは近年、多くのプロジェクトのICOについて、未登録証券を提供していたとして訴訟を起こしている。

8月には、仮想通貨Dragonchain(ドラゴンチェーン)のICOについて未登録証券販売だと指摘し、関連収益の払い戻しのほか、民事金銭賠償を要求した。

この際、ドラゴンチェーン側は、DRGNトークンは、イーサリアム(ETH)ネットワーク上で動作しているため、イーサリアムそのものと同様に分散化されていると反論。SECはターゲットとするプロジェクトを恣意的に選んでいると主張している。

SECに対しては、特にリップル社に対する訴訟などをめぐり、明確なガイドラインを提供することなく、直接に法的措置を取ることで取り締まっていると批判する声も上がってきた。

SECが証券法違反で起訴するプロジェクトには、合法性の点でばらつきがあるのが現状だ。例えば、SECが2021年12月にラトビア国籍の人物を訴えているが、このIvars Auzins被告は架空のプロジェクトを捏造して資金を集め、私的に流用していた。

関連米SEC、8億円以上のICO詐欺で容疑者を提訴

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧