意外な面から「ビットコインの底堅さ」を確認、アルトは今後の価格面で二極化懸念も|仮想通貨市況

仮想通貨市場
NYダウが600ドルを超える下落を受け、日経平均も寄り付きから400円以上の値下がりを記録して始まるなど、続落が続く金融マーケットの煽りを受け下落したビットコインだが、意外な面から底堅さをアピールする結果に。また、一部大手取引所で、流動性低下を受けて仮想通貨上場廃止の流れも相次いでおり、今後アルトコイン価格は二極化していく可能性も生じている。

仮想通貨市場

仮想通貨市場は、BTCが25日未明から下落に傾き、日本時間9時すぎに一時急落した。

この相場に影響したのは、日米の株式市場だ。

上に掲載したチャートでは、本日最も相関性が見られた米国のNYダウ株価との比較を行なったが、世界経済の先行き不安で大幅続落した株式市場の値動きに強く反応し、一気に下落へと傾いた。

NYダウが600ドルを超える下落を受け、日経平均も寄り付きから400円以上の値下がりを記録して始まった事で、特にここ数週間相関性の面で指摘される日経平均の値動きに釣られるようにして、BTC価格の下落も加速。bitFlyerでは、一時1BTC=71万円目前の価格まで急落した。

このチャートでは、特にここ数週間意識されている日本の株式市場の寄り付き時間にあたるAM9時にラインを引き、その相場の方向性とBTC価格の方向性を比較した。(緑:日経225、オレンジ:NYダウ)

直近4日間の相関性は一目瞭然であり、一つ目の丸枠の部分では急落と反発共に高い相関性を見せた上、翌日は9時に日経平均が急落したことを受け、BTC価格も下落に傾いている。

この2日の動きに高い連動性が見られたことで、株式市場の値動きが仮想通貨市場でも強く意識されたことになったと言えるだろう。

逆にBTC価格が上昇に転じた24日は、この寄り付き時間にあたる9時に反発を確認すると、上昇へ転じている。

欧州政治不安や米中貿易摩擦が尾を引き、上海株の続落にも影響を受ける形で、世界的な経済不安が波及、日米の株式市場も続落する傾向が見られている金融マーケット。

23日には、東証の空売り比率が、過去最高となる「50.8%」の大台に乗るなど、世界経済がリスクオフに動いている状況にあるといえる。

そこで注目されるのが、リスクオフ傾向で売られる株式やコモディティ、高金利通貨と対照となる、金(ゴールド)や国債といった安全資産だが、ビットコインに関してもこの点で興味深い動きが見え始めた。

本日話題となったのは、ここ数週間のBTCボラティリティの低下だ。

このチャートでは、ビットコインチャートを基準に、日経平均、NYダウ、S&P、ナスダック指数を比較したものとなるが、ゴールドマンサックスのビットコイン取引デスクの開設が後回しになった報道を受け、急落した9月5日のビットコイン市場以来、大きく値が動かなくなったために低下したBTCボラティリティが、これら日米株式市場のボラティリティよりも大きく下回っている事が、チャートより明らかになったのだ。

本記事前半でも記載したように、負の連動性が見られるビットコインは、その動きから現在は、リスク資産的な見方も強いが、米中貿易摩擦が主な原因となり世界マーケットに波及する大きな負の流れを耐え抜いてるという見方も出来る。

特に、60万円台後半〜70万円付近は最重要サポートラインとして2018年に何度も反発している箇所であり、意外な側面からBTCの底堅さが証明されつつあるのかも知れない。

アルトコインは二極化:淘汰も進む

本日コインポストでも改めて報道したように、CoinMarketCapに掲載されている仮想通貨総数が、10月3日時点で2000種を超えたことが明らかになっている。

増え続けるコインの種類だが、市場全体の出来高が右肩下がりに細っている現状、主要通貨以外への投資意欲は向いていない状況にあると言える。

2017年のICOブームと共に急増した仮想通貨であるが、その流れから”第二のビットコイン”や”第二のイーサリアム”になり得る通貨を探る側面も強かった。

しかし、2018年に一時的なバブルの落ち着きと共に露呈してきた詐欺通貨やプロジェクトの流れを受け、ドミナンスに反映されるように、限られた出来高は主要通貨へと再集中しており、時価総額の低い草コインは苦境に立たされている状態だ。

上場廃止のジャッジを下す

 このような状況を受けてか、今まで続々と取扱通貨を増やしていた海外取引所が、10月に入り上場廃止に踏み切る動きも見え始めた。

本日、世界有数の出来高を誇る「OKEx」が、同取引所内で流動性が低い57種類の仮想通貨ペアの廃止を決定。

そのほかにも10月9日にはユーザーの利益を保護を理由にBinanceが4通貨の上場廃止、10月20日にはLiquiが、AE、0xといった有名通貨を含む12種類の仮想通貨を上場廃止すると発表している。

この背景には、各国の規制状況(有価証券問題も含む)もあると言えるが、流動性の低下も主因の一つと言えるだろう。

今後の仮想通貨マーケットは、長期的な期待感に関しては剥離していない面もあるが、アルトコインにおける流動性、及び付随する価格面でも「二極化」がより顕著になるのではないかと予想される。

そういった面でも、「知識のインプット」の必要性は、ますます重要となるだろう。

仮想通貨(ブロックチェーン)関連株

世界同時株安の影響により、20を上回ると投資家の不安心理先行とされるVIX(恐怖)指数が25を超えた。

日本時間深夜から未明にかけて、米国のダウ市場が25,000ドルのサポートラインを明確に割り込んだことで、日経先物の連鎖売りが膨らんだ25日の株式市場。

投資家の淡い期待を嘲笑うかのように、日経平均株価は弱い反発を見せた後、-800までほぼ垂直落下を見せた。25日の終値は21,268円となり、わずか3週間で約3,000円幅も急落している計算だ。

これに伴い、新興市場のマザーズ指数が-6%を超えたほか、松井証券の「信用評価損益率」は、年間最悪レベルの-25.58%に到達。追証水準にあたり、さらなる急落要因ともなり得る。

11月6日には米国の中間選挙を控えており、一つのターニングポイントと見られるが、中国、イタリア、サウジアラビアなどの政情不安が、相場に重くのしかかっている。

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