米フォーブス誌、最も信頼できる世界の仮想通貨取引所トップ20を発表 日本の取引所は4社がランクイン

信頼性を重視

米フォーブズ誌は15日、独自の基準で調査・分析した「世界で最も信頼できる暗号資産(仮想通貨)取引所とマーケットプレイス」の結果を発表。調査対象となった646社の中から、最終的に20社が選ばれた。

2024年のランキングには、米国企業7社、欧州と日本からそれぞれ4社、韓国2社、シンガポール、ドバイ、香港からそれぞれ1社が選ばれた。

昨年は60社が選ばれたが、今年は2022年から2023年にかけて起きた様々な不祥事やFTXとバイナンスのトップに対する有罪判決などの教訓を生かし、信頼性をより重視し、透明性とコンプライアンス、内部統制とセキュリティ機能を主な評価の基準としたという。

2024年の上位10社は以下の通り。

  • 1. Coinbase(コインベース)/米国
  • 2. CME Group(CMEグループ)/米国
  • 3. Robinhood(ロビンフッド)/米国
  • 4. Upbit(アップビット)/韓国
  • 5. Deribit(デリビット)/ドバイ
  • 6. Bitstamp(ビットスタンプ)/ルクセンブルク
  • 7. Crypto.com(クリプトドッドコム)/シンガポール
  • 8. Kraken(クラーケン)/米国
  • 9. Fidelity(フィデリティ)/米国
  • 10. LMAX Digital/ジブラルタル

首位に立った米国の上場企業コインベースは、取引所だけではなく、主要金融機関および機関投資家へカストディサービスを提供しており、圧倒的な保有資産を誇る。

選考の責任者であるJavier Paz氏によると、コインベースの総資産は3,300億ドル(51.9兆円)で保有する ビットコイン(BTC)は2,190億ドル(34.4兆円)(2024年3月31日時点)。 バイナンスの総資産が1,000億ドルで、保有するビットコインが590億ドル相当であることを考慮すると、その差は歴然としている。

また、コインベースは世界のビットコインと イーサリアム(ETH)の供給量の約13%、取引所で保有されている全仮想通貨の40%を管理しているという。

2位となったCMEグループは、シカゴ・マーカンタイル取引所を運営してる。厳密には仮想通貨取引所ではないが、ビットコインおよびイーサリアムの価格発見の基準として多くのETF発行企業やヘッジファンドなどに利用されている。また、仮想通貨のマーケットプレイスとして重要な役割を果たしていることが評価された。

アジア勢の活躍

米国企業がトップ3を独占する中、4位には韓国最大の取引所アップビットがランクインした。Upbitは2023年、スポット市場でバイナンスに次いで世界最大の取引量を記録。安い手数料で199の通貨と321の取引ペアを提供している。

アップビットには、日本発のブロックチェーンプロジェクトの仮想通貨アスター(ASTR)が昨年12月に、オアシス(OAS)は今月23日上場を果たしている。

関連:韓国最大手アップビット、オアシスの新規上場を発表 OASは40%急騰

日本の取引所4社がランクインした11位から20位までのランキングは以下の通り:

  • 11. Gemini(ジェミナイ)/米国
  • 12. bitFlyer(ビットフライヤー)/日本
  • 13. Bitbank(ビットバンク)/日本
  • 14. GMO Japan(GMOコイン)/日本
  • 15. Paxos(パクソス)/ドバイ
  • 16. Luno(ルーノ)/英国
  • 17. Bithumb(ビッサム)/韓国
  • 18. HashKey(ハッシュキー)/香港
  • 19. bitpanda(ビットパンダ)/オーストラリア
  • 20. Coincheck(コインチェック)/日本

Paz氏は日本および韓国市場について、手数料が安く競争の激しいマーケットであり、規制がより成熟しているとコメントしている。

評価の基準と方法

フォーブス誌は、以下のような基準を用いて取引所を評価した。

  • ビットコインとイーサリアムの保有量(20%)
  • 規制遵守(20%)
  • 透明性(15%)
  • 財務健全性(15%)
  • 取引手数料(10%)
  • 法人および機関投資家の顧客(5%)
  • 1日の平均スポット取引量(5%)
  • 1日の平均スポット取引量(5%)
  • 仮想通貨ベースの製品(5%)

Paz氏は、取引所が保有する資産を最初の選考基準とし、ブロックチェーン分析企業アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のデータで、各取引所に帰属するウォレットで保有されるビットコインとイーサリアムを確認し、多くの取引所をふるい分けて行ったという。

フォーブズが選んだ20の取引所と、除外された13の大手取引所(バイナンス、OKX、Bybit、HTXなど)には保有資産の構成で大きな違いが見られたと同氏は指摘する。

後者のグループでは、ビットコインとイーサリアムの保有量は総資産の33%に過ぎず、各取引所が発行する独自トークンが総資産の44%を占めていた。破綻したFTXでは、独自トークンが総資産の高い割合を占めていたことから、このような状況は警戒するべきサインだとPaz氏は見ている。

規制当局による訴訟

トップにランクインしたコインベースは、仮想通貨取引の証券性をめぐって米証券取引委員会(SEC)と係争中であり、3位のロビンフッドもSECから証券法違反を警告されている状況だ。

フォーブズはこの点に関して、両社の問題は民事的なものであり、刑事的なものではないと指摘。評価から除外する理由にはならないと判断した。

コインベースの件について、Paz氏は「犯罪的な不正行為の反映というよりも、規制当局の現状改革主義の線が強い。」とコメントしている。

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