CoinPostで今最も読まれています

米コインベース、「超党派法案はSECの主張する管轄権を否定」と指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

対SEC裁判で仮抗告の最終書面

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは24日、米証券取引委員会(SEC)との裁判で、仮抗告を求める最終書面を地方裁判所に提出した。

その中で、先日下院でFIT21法案が可決したことを引き合いにだして、次のように指摘している。

米国下院は、包括的なデジタル資産法案を超党派で承認した。この法案はSECが主張しているような広範な管轄権を否定している。

FIT21は「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の略称である。これは仮想通貨市場における規制の不確実性を解消し、イノベーション促進と消費者保護の強化を両立させるものだ。

特に、米商品先物取引委員会(CFTC)に仮想通貨のスポット(現物)市場やビットコイン(BTC)などのデジタル商品(コモディティ)を監督するための追加権限や追加資金を与えることを盛り込んでいる。

この法案が今年成立する可能性は低いものの、仮想通貨コミュニティの気運を高める結果となった。なお、バイデン政権やSECゲンスラー委員長はこの法案に反対している。

関連: 米シンシア・ルミス上院議員「仮想通貨推進軍」結成を宣言

関連: SECゲンスラー委員長反対も、仮想通貨重要法案「FIT21」は下院通過

コインベースは、SECが仮想通貨取引を証券性のある「投資契約」とみなして規制できるかどうかという点について、高等裁判所の意見を仰ぐために仮抗告を求めているところだ。

対するSECは、コインベースは証券性を判断する上で定着した判例(ハウィーテスト)を自社のニーズに合わせて書き変えようと欲しているとして、仮抗告を退けるよう裁判所に申し立てていた。これを受けて、コインベースは今回の書類を提出した。

関連: 米SEC、コインベースの仮抗告を却下するよう申し立て

ハウィーテストとは

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めた。

▶️仮想通貨用語集

SECへの反論

コインベースはその他に、ハウィーテストの元となる判決以降78年間、控訴裁判所が販売後の契約義務がない取引を「投資契約」と認めたことはないとも主張した。

コインベースのポール・グレワル最高法務責任者は、改めて次のように説明している。

私たちが仮抗告しようとしている問題は、何も契約と見なされるようなものを伴わないデジタル資産取引をSECが「投資契約」として規制できるかどうかということだ。

また、リップル社との裁判ではSEC自身が、ハウィーテストの適用に関する法的枠組みをめぐっては裁判所間で意見が分かれていると主張しており、これは対コインベース裁判における主張とは矛盾しているとも述べた。

コインベースが仮抗告を進めるには、地裁の判事による承認が必要だ。ただし地裁で最終判決が下される前に、控訴裁判所への仮抗告が認められることは少ないとされる。

関連: コインベース、仮想通貨XRPの取扱いをニューヨーク州で再開

『早割』終了まで
0
0時間
0
0
さらに!! CoinPost読者限定割引コード提供中!
クリックしてコードをコピー
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06/17 月曜日
11:52
ブルームバーグETFアナリスト「イーサリアム現物ETFは最短で7月2日に承認される可能性」
ブルームバーグのETFアナリストは、イーサリアム現物ETFの承認日について最速で7月初旬になる可能性があると意見した。
11:49
ビットコイン週足陰線、初期OGホルダーの売却傾向も
暗号資産(仮想通貨)市場はマクロ経済の逆風を背景に軟調に推移。Willy Woo氏は、ビットコイン現物ETFが機関投資家に買われる中、ビットコインOG(Original Gangsta)と呼ばれる初期ホルダーの売却行動を指摘した
10:38
松本潤、新会社「MJC」設立 「仮想通貨の企画」に期待と懸念
旧ジャニーズのメンバーで嵐の松本潤がSTARTO ENTERTAINMENTを退所し、新会社「MJC」を設立。創造性と絆を重視し、仮想通貨(暗号資産)プロジェクトを含む多岐にわたるビジョンを掲げて注目を集めている。
06/16 日曜日
11:00
週刊ニュース|バイデン大統領の仮想通貨寄付を巡る動向に高い関心
今週は、バイデン大統領の選挙活動での仮想通貨寄付受付開始の可能性、イーサリアム現物ETF審査に関する米SEC委員長の発言、JPモルガンのアナリストによるビットコイン相場分析に関するニュースが最も関心を集めた。
06/15 土曜日
13:00
「CBDCの実証実験を行う先進国が増加」国際決済銀行レポート
国際決済銀行は中央銀行デジタル通貨についての調査結果を発表。特に先進国でCBDCの実証実験を行う国が増加していると指摘した。
11:30
エルサルバドル、ビットコイン投資家のための銀行設立を検討
この銀行は、ビットコイン投資家のためのもので、従来の銀行と比べて制限も少なくなる。承認されればビットコイン投資家が金融サービスを利用できるようになる。
10:10
バイナンス前CEOのCZ氏、BNB流通量の64%を所有=フォーブス
仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOの資産総額がBNBトークンの価格上昇と共に増加。9.6兆円に達したと見積もられている。
08:50
ビットコインレイヤー2「Stacks」、9時間ほどブロック生成停止
仮想通貨ビットコインに属するレイヤー2ネットワーク「Stacks」は14日、ブロック生成が約9時間停止し、混乱に見舞われた。
08:30
金融庁、海外仮想通貨取引所LBankに警告
金融庁は6月14日、海外仮想通貨取引所「LBank Exchange」に対して、事務ガイドラインに基づき、無登録で仮想通貨取引を提供しているとして警告した。
07:55
BTC価格は25年末までに20万ドルへ=バーンスタイン
仮想通貨ビットコインの価格は25年末までに20万ドルまで上昇する可能性があると、バーンスタインのアナリストが予想を引き上げた。予想の根拠を説明している。
06:50
ビットコイン一時66000ドル割れ、280億円相当のロングがロスカット
仮想通貨ビットコインは15日、前日比1.3%安。14日深夜に66,000ドルを割り込み一時65,000ドルまで急落。その後反発し、66,000ドル台を回復した。
06:00
マイクロストラテジー、ビットコイン買い増しの資金調達額を引き上げ
より多くの仮想通貨ビットコインを購入するために、マイクロストラテジーは14日、転換社債売却の発行額を引き上げた。
05:45
DMMビットコイン、顧客補償用ビットコインを調達完了
暗号資産取引所DMMビットコインは顧客への保証のためのビットコインをすべて調達した。
06/14 金曜日
17:45
オーケーコイン・ジャパン、トンコイン(TON)の新規取扱い開始を発表
国内暗号資産(仮想通貨)取引所OKCoinJapan(オーケーコイン・ジャパン)にトンコイン(TON)が上場することが発表された。TONは大手メッセージアプリTelegramが始めた分散型ブロックチェーンであるThe Open Network(TON)のネイティブトークン。
17:26
チリーズ(CHZ)が17日にハードフォーク Tokenomics 2.0を導入へ
Chiliz ChainがDragon8ハードフォークを計画。EIP-1559の実装とTokenomics 2.0で暗号資産(仮想通貨)CHZのユーティリティを強化する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア