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SECゲンスラー委員長反対も、仮想通貨重要法案「FIT21」は下院通過

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仮想通貨法案に反対表明

米バイデン政権は22日、米国の包括的な暗号資産(仮想通貨)法案「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法(FIT21)」に反対する声明を発表した。

政権としては、既存の権限をベースに仮想通貨やデジタル資産の包括的なルールを作りたいと説明。そうすることで、デジタル資産や決済システムの責任ある開発を推進して、世界の金融領域における米国のリーダーの地位を強化したいと述べた。

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FIT21は22日午後に米下院が討論を行ない、279票対136票で承認されて下院を通過。この法案は最初は共和党議員により下院議会に提出されたが、71名の民主党議員の賛成票によって超党派の支持を得ているとされている。

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一方、バイデン政権はFIT21について、消費者や投資家を十分に保護するためのルールが不足していると指摘。この点について、イノベーションの下地を整えながら、今後も議会と協力していきたいとしている。そして、この協力にはもっと時間が必要だと述べた。

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SEC委員長の声明

米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長も22日、FIT21に反対する声明を出した。

ゲンスラー氏はFIT21が法制化されれば、規制に新しい抜け穴が生まれ、投資契約の監督で数十年続く前例が覆されると主張。FIT21は投資家と資本市場を非常に大きなリスクにさらすことになると警告している。

反対する理由の1つにゲンスラー氏が挙げているのは、有価証券該当性を判断するためにこれまで利用してきた「ハウィーテスト」が用いられなくなること。FIT21では分類や取引を記録する台帳に基づいて有価証券該当性が判断されるようになっているとし、これからも経済的実態を考慮すべきだと訴えた。

また、FIT21によって、仮想通貨の投資契約を行う企業やプロジェクトが、分散化したシステムであることを自分たちで証明し、コモディティ(商品)と分類してSECの監督を逃れられるようになる可能性があるとも指摘した。

SECは、その証明を確認して反対することもできるが、その期間が60日しか与えられないとして、スタッフのリソースが足りないとも主張している。

ほかにも、FIT21はDeFi(分散型金融)を規制の例外にしているとも指摘。利益相反の可能性があるにも関わらず多くの企業が例外の対象になり、その中には仮想通貨証券の取引を仲介する企業も含まれることになると述べた。

ハウィーテストとは

米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件(1946年)に由来する。

法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。

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