はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米下院、包括的な仮想通貨法案「FIT21」採決へ 規制不確実性の解消目指す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

包括的な仮想通貨法案が採決へ

米国連邦議会下院は現地時間22日の午後、暗号資産(仮想通貨)業界にとって大きな節目との指摘のある「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」(FIT21)の最終討論と採決を行う予定だ。

FIT21は超党派の支持を得ており、米国で初めて仮想通貨の規制明確化を図る包括的法案が、ようやく承認されることが期待されている。

同法案の主な目的は、デジタル資産に関する明確なルールを提供し、投資家と消費者を保護することだ。SEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会 )が共同でルールを定め、デジタル資産取引の二重規制を回避することが期待される。

このように、FIT21は、デジタル資産市場における規制の不確実性を解消し、イノベーションを促進しながら消費者保護を強化するための重要な一歩とされており、議員は次のように述べた。

FIT21は超党派だ。
これは、共和党と民主党、そして下院農業委員会と金融サービス委員会の長年の協力の賜物なのだ。
明日、我々はアメリカのイノベーションと消費者保護のために記念すべき一歩を踏み出す。

正式にはH.R.4763として知られるこの法案は昨年7月、仮想通貨支持派のウォーレン・デビッドソン議員をはじめとする5人の共和党議員により下院議会に提出され、下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長が共同提案者となっている。

この法案FIT21は、商品先物取引委員会(CFTC)に商品と定義される仮想通貨に対して新たな管轄権を与えると同時に、投資契約の一部として提供されるデジタル資産に対して証券取引委員会(SEC)の管轄権を明確にする。

提案者の一人であるダスティ・ジョンソン議員は、「顧客保護と市場監視を提供するために、CFTCとSECに明確性と規制権限を与える時が来た。」と述べている。

関連:米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ

党議拘束はかけず

仮想通貨メディアCoindeskによると、少なくとも8人の民主党議員がFIT21への支持を明らかすると同時に、以下のような内部メモで他の民主党議員へ支持を呼びかけている。

民主党として、これはデジタル資産市場を規制する重要な機会であると感じている。

民主党のウィリー・ニッケル氏は21日、金融規制当局の役割を明確にし、「仮想通貨規制を政治サッカーに変える」ことを阻止するため、FIT21への支持を呼びかけるスピーチを行った。議会はこれまで、仮想通貨の規制構造について投票したことはないと指摘し、「100年前の証券法に基づいて運営されている」ことに疑問を呈した。

さらに、FIT21が超党派の支持を得て起草されたことを強調し、同法案へ賛成票を投じるよう呼びかけた。

一方、法案可決に強く反対する下院金融サービス委員会と下院農業委員会の民主党の有力議員であるマキシン・ウォーターズ氏とデビッド・スコット氏は、下院民主党議員に向けたEメールで、FIT21は「確立された判例を損ない、伝統的な証券市場に不確実性をもたらす」ため、強く反対すると表明した。

しかし、個々の議員に対して、FIT21に反対票を投じるように求めるつもりはないと述べ、党議拘束をかけるものではないことが明らかになった。

関連:SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決

法案の概要

FIT21は、米国において仮想通貨に関する明確な枠組みを確立し、各トークンや暗号資産(仮想通貨)取引所がどこで、どのように規制されるかを特定するものだ。

パトリック・マクヘンリー議員が指摘するように、「米国のデジタル資産エコシステムは、あまりにも長い間、イノベーションを阻害し、消費者を保護しないまま放置してきた規制上の不確実性に悩まされてきた。」

その元凶の一つに、SECが数々の仮想通貨企業に対し訴訟を起こすことで、強硬手段ともいえる「執行による規制」を行なってきたことが挙げられる。

FIT21の柱の一つは、規制機関であるSECとCFTCの間に「明確な境界線を確立」することだ。デジタル資産が機能的かつ分散的に実行される場合、CFTCが商品として規制し、分散化されていない場合、SECが有価証券として規制することになる。

分散化の判断基準は、「ブロックチェーンやその使用を制御する一方的な権限を持たない者が存在せず、発行者や関連者がデジタル資産や議決権の20%以上を制御できないこと」とされる。

さらに、仮想通貨企業が消費者に合法的にサービスを提供するため、包括的な登録制度が設けられる。消費者保護とイノベーション推進については、FIT21には以下のような内容が含まれている。

  • サービスプロバイダーに対する透明性と説明責任の強化:登録や運用要件の明確化で利益相反を軽減、顧客への適切な情報開示、顧客資金の分離による資産保護
  • 仮想通貨プロジェクトの保護を通した市場強化:開発者のための資金調達方法の確立、デジタル資産取引に対するSECとCFTCの管轄判断プロセスの明確化
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/28 金曜日
19:05
Secured Finance(セキュアード・ファイナンス)とは?JPYCの運用方法を徹底解説
Secured FinanceでJPYCを使った固定金利運用が可能に。満期と金利が事前確定する仕組み、メタマスクの準備から貸し出し・借り入れの手順、リスクまで初心者向けに詳しく解説。
18:47
ゆうちょ銀行のトークン化預金が不動産決済に進出
シノケングループ、ゆうちょ銀行、ディーカレットDCPの3社がトークン化預金の活用に向けた基本合意書を締結。賃貸管理における月次賃料の支払いをユースケースに、決済の自動化・効率化を検証する。2025年12月末に実証実験を完了し、2026年以降の本格導入を目指す。
18:01
価格急騰で注目を集めた仮想通貨ジーキャッシュとは
価格急騰で注目を集めたプライバシー銘柄の仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)の将来性を徹底解説。買い方や技術、注目点、リスクまでわかりやすく説明します。
17:29
英国、DeFi預け入れ時の課税を繰り延べへ 売却時まで納税義務を先送り
英国歳入関税庁が11月27日、DeFi預け入れ時の課税を実質売却時まで繰り延べる税制改革案を発表。アーベやバイナンスなど業界大手32団体が支持。利用者の税務負担軽減へ。
17:13
bitFlyer、法人向け「アセットロックサービス」提供開始 期末時価評価課税の適用除外に対応
bitFlyerが法人向け「アセットロックサービス」を開始。暗号資産を1年以上ロックすることで期末時価評価課税の適用除外要件を満たし、含み益への課税を回避できる。対象はBTC・ETH・XRPの3銘柄。
15:38
Soneium基盤のファンダムアプリ「IRC APP」公開 SNS応援をオンチェーン管理
IRC 2026公式アプリ「IRC APP」がSoneium基盤で公開。SNS応援活動をAIがスコア化し、チケット先行購入や優先入場などイベント当日の特典に変換。6万人が参加したベータ版実績を持つファン参加型プラットフォーム。
14:30
ブータン政府が320ETHをステーキング、BTC保有と併せ仮想通貨準備金戦略を拡大
ブータン政府はFigmentを通じて320ETH(約1.5億円)をステーキングした。世界初となる国民デジタルIDのイーサリアム統合、6,154BTC(876億円相当)の保有、観光業へのバイナンスペイ導入など、小国ながら先進的なブロックチェーン戦略を展開している。
13:30
トム・リー率いるビットマイン、押し目買いで70億円相当のイーサリアムを追加購入
ビットマイン・イマージョンが27日、70億円相当のイーサリアムを追加購入した。これは同社の毎週の購入パターンと一致。先週まで保有するETHは363万枚を超え供給量の3%に到達。
13:10
途上国インフレが仮想通貨の促進要因に 今年のチェイナリシス「グローバル仮想通貨採用指標」
チェイナリシスの2025年仮想通貨採用指標でインドが首位に。各国でインフレがステーブルコインなど仮想通貨の需要を喚起している。日本はAPAC地域で最高成長率を記録した。
12:46
トム・リー氏、ビットコイン年末25万ドル予想を軟化 史上最高値更新は「可能性ある」
ビットマインのトム·リー会長が年末25万ドルという強気予想を初めて軟化。10月に200万口座が消滅した史上最大の清算イベント後、年末10万ドル突破は「非常に可能性が高い」と予想を下方修正したが、楽観的な見方は維持している。
11:35
欧州最大級の資産運用会社アムンディ、イーサリアム上で初のトークン化ファンドを運用開始
欧州最大級の資産運用会社アムンディが、マネーマーケットファンドの初のトークン化シェアをイーサリアムブロックチェーン上で開始した。24時間365日の運用が可能になり、投資家は従来型とトークン化の両方でファンドにアクセスできる。
11:26
Visa、中東欧・中東・アフリカでステーブルコイン決済を拡大 Aquanowと提携
決済大手Visaが27日、Aquanowと提携し中東欧・中東・アフリカ地域でステーブルコイン決済を拡大すると発表。USDCを活用し、コスト削減と決済時間短縮を実現。世界のステーブルコイン市場は5年で10倍に成長。
10:25
USDT発行のテザー、ウルグアイのBTCマイニング施設を閉鎖 高コストで採算合わず
ステーブルコインUSDT発行のテザー社がウルグアイでのBTCマイニング事業を停止した。電力コストが折り合わなかったことを理由としている。7月にはブラジルでの計画を発表していた。
09:45
ヴィタリック、計1億円超相当のETHをプライバシー領域のプロジェクトに寄付
仮想通貨イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏は、プライバシー機能を持つメッセージアプリSessionとSimpleXにそれぞれ6000万円相当のETHを寄付した。期待する点を説明している。
08:55
トランプ関連プロジェクトと提携のALT5シグマ、CEO解任 内部混乱が明らかに
ナスダック上場のALT5シグマが、トランプ前大統領の家族が支援するワールドリバティファイナンシャル(WLFI)との提携後、株価が80%下落し内部混乱に陥っている。CEOや複数の幹部が解任され、規制当局の調査やルワンダでのマネーロンダリング有罪判決も明らかになった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧