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Zcash財団Q1報告、財務健全性とSEC調査終了を明示 約58億円の流動資産を保有

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 流動資産3,669万ドル・月平均支出27万ドル
  • SEC調査が執行措置なしで終了

保守的な財務運営

Zcash財団は19日、2026年第1四半期(Q1)の活動・財務報告書を公開した。同報告書は、ガバナンス移行期におけるネットワークの安定運用、技術開発の進捗、保守的な財務体質、そして規制面での大きな前進を示す内容となっている。

報告によると、2026年3月末時点の純流動資産総額は約3,669万ドル(約58億円)に達した。資産内訳は以下の通り。

  • ZEC保有量:85,412 ZEC(約2,120万ドル、総流動資産の約58%)
  • 現金およびUSDC:現金約1,211万ドルと50万ドル超のUSDCを含む計約1,260万ドル
  • その他:BTCおよびETHを合わせ約290万ドル(約41.8 BTCと12.02 ETH)

四半期の運用経費は約81.7万ドル(月平均約27.25万ドル)と、引き続き抑制された水準を維持した。支出の主な用途は、チーム報酬を中心にエンジニアリング、研究開発、インフラ・運用関連に充てられている。

こうした支出構成や資産状況は、Uniswap財団やカルダノ財団など主要プロジェクト財団が、インセンティブや広告キャンペーンに多額の費用を投じるケースと比べると、極めて保守的で透明性が高い運営と見られる。

SECの調査終了

財団は、2023年8月から続いていた米国証券取引委員会(SEC)による同組織への調査が、「いかなる執行措置も勧告されることなく終了した」と報告。これにより、重大な規制上の懸念が解消され、今後はより明確な環境の下で開発を継続することができるとしている。

この決定は、2025年以降に見られるSECによる暗号資産(仮想通貨)関連案件の縮小傾向と一致しており、Aave、OpenSea、Robinhood、Gemini、Ondoなどに対する調査が、訴追に至ることなく終了した例として報じられている。

ネットワークの安定運用維持

2026年初頭、Zcashの開発を担うElectric Coin Company(ECC)のガバナンス紛争に伴い、開発チームの大部分が離脱し、新会社設立の動きがあった。しかし、組織の移行期にあっても、Zcashネットワークではブロック生成や決済機能が維持され、ユーザー資金とプライバシーが安全に保たれたことから、分散型オープンソースプロトコルとしての強靭性を改めて示した。

ECC社の開発チーム離脱に伴い、ネットワーク接続を維持する重要サーバー(DNSシーダー)が停止するトラブルも発生したが、財団は数日以内に米欧に代替サーバーを設置。ノードが途切れることなくネットワークへ接続できる環境を迅速に整えた。

Zcashの創設者でECCの前CEOであるズーコ・ウィルコックス氏は、「Zcashネットワークはオープンソースで安全であり、この対立によって何も変わることはない。安心して使い続けることができる」と述べ、プロトコル自体への影響はないと強調していた。

財団は報告書で、ネットワークが単一の組織によって管理されていないことを改めて強調。分散化を理論上の原則にとどまらず、プロジェクトの中核的な強みとして位置づけている。

関連記事:ジーキャッシュ開発チームが集団離脱 ガバナンス対立で新会社設立へ

ジーキャッシュ(Zcash)の開発企業ECCのチーム全員が、統治機関Bootstrapとのガバナンス対立により集団離脱。新会社設立を発表し、ZEC価格は7%下落。創設者ズーコ・ウィルコックス氏は理事会を擁護。

技術開発の進捗

報告書では、主な技術的進展として以下を挙げた。

  • Zcashノード「Zebra」の2回にわたる大型アップデート:観測性の向上、運用効率化、モニタリング機能の拡張
  • ZebraのRPCレイヤーを拡張し、Zebra、Zaino、Zalletの統合を推進。Torサポートを導入
  • 暗号技術「FROST v3」の開発:複数人による署名プロトコルの安全性と効率性を向上
  • ZebraでAI支援を導入し、開発速度の大幅な向上と新規開発者の参入促進を図る

関連記事:米FoundryがZcash採掘プール正式ローンチ、3割のハッシュレートを確保

米国のマイニング大手Foundryが13日、Zcash採掘プールを正式ローンチ。複数の機関投資家マイナーが参加し、ネットワークのハッシュレートの約30%を既に確保した。

また、ネットワークインフラ強化に向け、不正攻撃への耐性と高速動作を特徴とするRustベースのDNSシーダー(ネットワーク接続用サーバー)も開発・発表している。

解析記事:仮想通貨ジーキャッシュの将来性|注目点・リスクを解説

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