米SEC仮想通貨部門の責任者が退任

仮想通貨ユニット責任者が退職

米証券取引委員会(SEC)の執行部暗号資産(仮想通貨)・サイバーユニットの責任者を務めていたデイビッド・ハーシュ氏は17日、SECを退職したと報告した。

ハーシュ氏は、SECに9年間勤務していたが、「先週の金曜日が最後の日だった」として、次のように述べている。

SECに勤務していた間には、SECフォートワース地域事務所担当の弁護士として入職したときには想像もしなかったほど、複雑で困難な調査や問題に取り組むことになった。

特に、私がリーダーを務めた仮想通貨・サイバー担当チームが成し遂げた歴史的な仕事に誇りを感じている。

ハーシュ氏の退任は、SECの執行部門における定例的な人事異動パターンに沿ったものだ。最近では、SECのリップル社やコインベースに対する訴訟にも携わっていたラダン・スチュワート弁護士が、SECでの8年間の勤務を終えて退職している。

ハーシュ氏の勤務していた期間は、仮想通貨が社会で急速に普及した時期であり、SECは様々な仮想通貨企業に対して訴訟を起こしてきた。現在もリップル社やコインベースとの裁判は続いているところだ。

SECは詐欺的プロジェクトへの取締りも行う一方で、何が証券にあたるのか明確なガイドラインを提示せず恣意的に訴訟に訴えているとの批判も受けてきた。

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SEC(証券取引委員会)とは

株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。

▶️仮想通貨用語集

2022年に増員

SECは2022年に、執行部門のサイバーユニットを、新たに仮想通貨・サイバーユニットと改称していた。

このユニットは仮想通貨取引所、仮想通貨のレンディングやステーキング、分散型金融(DeFi)プラットフォーム、非代替性トークン(NFT)、ステーブルコインに関する証券法違反に対処する部門だ。

2022年にSECはこのユニットを20人増員してもいる。この際、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、投資家を保護するためにより多くのリソースを投入することが重要になっていると指摘し、次のように表明していた。

このユニットの規模を倍にすることで、サイバーセキュリティに関する開示や管理の問題について監督を継続すると共に、仮想通貨市場における不正行為を取り締まるSECの能力が向上する。

仮想通貨に懐疑的な姿勢を取るゲンスラー委員長は在任しており、任期は2026年までの見込みだ。SEC委員長は大統領が指名するため、大統領が交替した場合にSEC委員長も変わる場合があるが確実ではない。ゲンスラー委員長は現在の政権が誕生した時にバイデン大統領に指名されていた。

現在、今年の大統領選に向けて仮想通貨もトピックの一つとして浮上しているところだ。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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