コインベース、インフレ連動のフラットコイン「SPOT」に1.6億円出資

インフレ対応コイン「SPOT」

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのVC部門、コインベースベンチャーズは、Ampleforth Foundationのフラットコイン「SPOT」の戦略的資金調達ラウンドに100万ドル(約1.6億円)を出資した。

この取引の一環として、SPOTはコインベースが開発したイーサリアムのレイヤー2ネットワーク「Base」上でもローンチされる予定だ。

Ampleforthプロトコルの開発企業Fragmentsのエヴァン・クオCEOは、次のようにコメントしている。

SPOTは、当社のチームによる5年間の研究開発の集大成であり、ブロックチェーン技術を使用して、チェーン上でドルを複製するのではなく、むしろ「より良いお金」を作成するというビジョンを実現するものだ。

クオ氏は、米ドルに価値を紐づけられたステーブルコインは市場の当面のニーズに応えたものの、インフレ対策や、永続的に価値を保管すること、中央集権的な仲介者への依存などの課題もあるという趣旨で語った。

SPOTはフラットコインの一種である。フラットコインとは、一般的にステーブルコインとは違って、法定通貨に固定されるのではなく、生活費を追跡することを目指すものだ。

開発チームによると、SPOTはオンチェーン経済で使用できる、完全に分散化されており、ボラティリティ(変動)がきわめて少ない資産を作成するように設計されている。

コインベースのブライアン・アームストロングCEOは昨年、ベンチャー投資の方向性としてフラットコインに注目していると話していたところだ。

フラットコインは「消費者物価指数(CPI)または購買力に関連した、ステーブルコインの次の開発サイクル」だと述べていた。

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SPOTのボラティリティ低減メカニズム

SPOTは、Ampleforthがすでに提供しているAmpleforth(AMPL)トークンと関連している。AMPLはアルゴリズム型ステーブルコインの一種で、裏付け資産を持たず、プログラムによって供給量を調整することで価格の安定を図るものだ。

イーサリアムベースで、米ドルと紐づけられている。トークン保有者は、一定数のトークンではなく、AMPL供給の合計量に対する一定割合にあたる数のトークンを保有する。

毎日一回調整が行われ、AMPLの価格高騰が検出されると、供給量が増加。価格低下が検出されると供給量が減少する仕組みだ。

SPOTは、AMPLのボラティリティを、高ボラティリティ派生商品(stAMPL)と低ボラティリティ派生商品(SPOT)の二つのグループ(トランシェ)に分割することによって機能する。

stAMPLはAMPLのステークバージョンであり、ネットワークボラティリティの大部分を吸収し、SPOTを大きな価格変動から保護するものだ。

こうして分割されたトランシェは1週間で満期を迎え、自動的にAMPLに変換される。SPOTプロトコルは、満期が近いトランシェを新しいトランシェに継続的に置き換える。

Ampleforthの担当者は、SPOTの最低ボラティリティレベルは、2019年の、消費者物価指数調整後の米ドルに匹敵すると話した

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ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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