CoinPostで今最も読まれています

米コインベースCEO、ベンチャー投資の方向性としてインフレ耐性ステーブルコイン「Flatcoin」に注目

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインの重要性

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは7日、Yahoo! Financeのインタビューで、ベンチャー投資の方向性として「フラットコイン」(Flatcoin)に注目していると語った。

アームストロング氏は、アメリカ人の67%が、現在の金融システムに大規模な改革が必要だと考えているが、その実現のためには、仮想通貨が最も重要なテクノロジーであると指摘。しかし、大多数の人々が米ドルの使用を望んでいる現状では、ステーブルコインが非常に重要な足がかりとなると述べた。

米ドル建てのステーブルコインは「より効率的でグローバルな仮想通貨プラットフォーム」で運用されており、すでに国境を超えた取引や少額送金を可能にしていると同氏。

このような動きの全てが、仮想通貨エコシステムが成長し、分散型のビジョンに到達するのに役に立つのだ。

アームストロング氏は、コインベースが関心を寄せている「開発アイデア」の一つとして、フラットコインに言及。フラットコインは「消費者物価指数(CPI)または購買力に関連した、ステーブルコインの次の”イテレーション”(反復される開発サイクル)」で、同社ではなく、いくつかのチームが開発に取り組んでいるプロジェクトだという。

フラットコインとは

アームストロング氏は先月末、「開発者向けの要望」としてコインベースが高い関心を寄せる「10の仮想通貨関連のアイデア」を発表。その一つが、「仮想通貨が実現するより良いお金の形」として、インフレの影響を受けにくい設計に基づいたフラットコインだ。

関連:コインベースCEO、Web3・仮想通貨ユースケース10分野で開発呼びかけ

フラットコインは、「完全に分散化されて、検閲耐性があるもの」になると同氏は説明する。CPIを追跡するために、いくつかの資産のバスケットによって裏付けられるか、またはアルゴリズムのアプローチが考えられるという。

法定通貨に裏付けられたステーブルコインは「優れた仲介手段」だが、法定通貨と同様、インフレリスクに加え、押収やターゲットのブラックリスト化など中央集権政府の影響を免れないことを、アームストロング氏は問題視している。

また、ビットコインはインターネットの「絶対的基準」であり、通貨として素晴らしいアイディアだが、そのデフレ的な性質から将来の価値上昇への期待が高く、多くの人々が実際に使用せずに保有する傾向が強いと同氏は指摘する。

フラットコインはインフレ率を追跡することで、インフレ耐性を維持。安定した購買力を保ちつつ、中央集権的なリスクを回避することが期待されるとともに、デフレ資産ではないため、実際の取引に使用しやすいと考えられている。

米国の規制について

アームストロング氏によると、現在、世界では仮想通貨の規制整備が進んでおり、G20の国々の83%がすでに、仮想通貨の法規制を導入済みか、その途上にあるという。

一方、米国の規制整備については、裁判による判例か、議会を通して進む方法があると指摘。現在のように規制当局が明確な情報を提供しない場合、裁判所の判例が規制問題の解決につながるだろうと述べた。

しかし現在、米国議会が規制整備に活発に取り組んでいる姿勢に同氏は言及し、期待を覗かせた。7月末には米下院農業委員会が、「21世紀のための金融イノベーションとテクノロジー法」を可決し、下院での審議に移っている。

関連:米下院農業委員会、仮想通貨規制を明確化する法案可決 下院での審議へ

アームストロング氏は、仮想通貨規制において、商品先物取引委員会(CFTC)が権限の拡張を求める可能性や、2024年以降、仮想通貨業界に敵対的な証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長が交代する可能性も考えられると主張。いずれにせよ今後、米国の規制整備が進んでいくだろうとの考えを示した。

同時に、米国の仮想通貨業界が団結し、その声が確実に政治に届くようにする必要があると指摘。来年、大統領選挙が行われるにあたり、同氏は、大きな票田を抱える仮想通貨コミュニティの力は無視できなくなると見ており、候補者の仮想通貨政策が一つの争点になるだろうと述べた。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/22 金曜日
16:29
大手VCパラダイム「仮想通貨は新たな惑星のようなもの」 投機需要も欠かせないと見る理由
仮想通貨関連技術に特化した米大手ベンチャーキャピタルParadigmは、「火星のカジノ」と題した論説で、仮想通貨を新しい惑星に例え、投機的な投資も「移住の起動プロセスの一部」として欠かせないものだと主張した。
16:15
セガ三国志大戦IP活用のBCG「Battle of Three Kingdoms」、動画初公開
  三国志大戦のIP活用BCGのチュートリアル動画公開 セガの人気ゲーム『三国志大戦』のIPを活用し、double jump.tokyo株式会社が開発を手がける新作ブロックチェ…
14:00
米FRB「資産のトークン化」に警鐘
米FRBは、トークン化が金融安定性に及ぼす影響について詳細に調査した論文を公開した。トークン化がデジタル資産のエコシステムと伝統的な金融システムとの相互接続を促進し、伝統的な金融システムに新たなリスクをもたらす可能性があると指摘している。
13:40
「Proof of Play」、a16zなどから約50億円調達
ブロックチェーンゲーム企業「Proof of Play」はシードラウンドで約49億円を調達した。プレイヤーが世界構築に参加できるWeb3ゲームを開発していく。
12:17
ビットコイン続落、FOMC後の金融引き締め長期化懸念で日米株安進む
暗号資産(仮想通貨)相場でビットコインが続落した。FOMCにおけるFRBの2024年の金融政策見通し悪化を受け、株安が進んでいる。
12:00
10年ぶりの日銀総裁交代、植田新総裁の金融政策は
2023年4月8日に黒田前総裁が退任し、翌9日より植田新総裁が就任し新体制へ。黒田前総裁は10年間でどのような政策をとり、経済・市場環境にどのような影響を与えたのか、また植田新総裁の現時点で発表されている政策による今後の影響も解説します。
11:45
韓国釜山市がWeb3産業育成に本腰 取引所も設立へ
韓国の釜山市はブロックチェーン育成関連の計画を発表。独自メインネットやデジタル資産取引所、100億円規模の育成ファンドを立ち上げるとしている。
11:00
チューリンガムの親会社クシム、Zaif親会社と経営統合へ
Web3企業チューリンガムの親会社クシムは、カイカエクスチェンジホールディングスと経営統合することを取締役会で決議したと発表した。仮想通貨取引所Zaifの運営企業も連結対象となる予定。
08:45
バイナンス、ETHのガス代を1日で計1億円相当支払い
仮想通貨取引所バイナンスは21日に、イーサリアムのガス代を1日で合計1.2億円相当も支払ったことがわかった。バイナンスの担当者が経緯を説明している。
08:10
恐怖指数上昇 米国株続落、日銀マイナス0.1%金利維持|22日金融短観
本日米NYダウは続落。ナスダックとS&P500は6月以来の安値となった。昨日のFOMC会合では市場の予測通りに金利据え置きが発表されたが、年内1回の追加利上げの可能性が示唆された余波を受けた形だ。
05:52
欧州MiCA法施行に向けてバイナンスのステーブルコイン対応は|22日朝の重要速報まとめ
仮想通貨取引所バイナンスは来年6月までに欧州市場でステーブルコインの上場廃止を検討しているか。CZ氏は報道を否定した。
09/21 木曜日
18:00
仮想通貨擬人化BCG「コインムスメ」がSTEPN運営と提携、GMTアイドル「ジェムティ」誕生
ブロックチェーンゲーム「コインムスメ」は、STEPN運営Find Satoshi Labとの提携により誕生した「ジェムティ(GMT)」のデザインを公開した。限定NFT200枚を抽選でプレゼントする企画も行われる。
16:56
コナミ初のweb3プロジェクト「ZIRCON」、東京ゲームショウで発表
コナミがweb3進出 国内ゲーム大手企業のコナミデジタルエンタテインメントは21日、「東京ゲームショウ2023(TGS2023)」のステージにおいて、ブロックチェーン技術を活用…
15:42
マウントゴックス弁済期限、2024年10月まで延長
2014年に経営破綻した仮想通貨取引所、マウントゴックスの債権者へのビットコインや現金による弁済の期限が、1年延長されることが確認された。弁済先情報が提供されている債権者に関しては、年内に弁済を開始する可能性もあるとしている。
14:44
「ゲソてん byGMO」ブロックチェーンゲームを統合へ
GMOメディア株式会社は、ゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」のレイヤー2であり、ゲームプラットフォームとして機能する「GESOTEN Verse(仮)」の開発を発表。従来のWeb2ゲームポータル「ゲソてん byGMO」とユーザー基盤を連携する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧