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片山財務大臣、日本の金融インフラ戦略を示す 物流・商流・決済の一体化で経済底上げ|WebX2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

WebX 2026 | 基調講演レポート

円建てステーブルコインからオンチェーン国債へ、片山さつき財務大臣が描く金融インフラ改革

片山 さつき

財務大臣兼金融担当大臣の片山さつき氏が、WebX 2026のCRYLステージに登壇し基調講演を行った。昨年の法改正から1年でオンチェーン金融の社会実装がいかに進んだかを総括しつつ、金融庁の新たな支援枠組み「PIP(決済コード化プロジェクト)」と3件の実証プロジェクトを紹介。ブロックチェーン技術が物流・商流・決済を一体化し、日本経済全体の生産性を底上げするという戦略的ビジョンを示した。

片山さつき

片山 さつき

参議院議員
財務大臣、金融担当大臣
内閣府特命担当大臣(金融)

東京大学法学部卒業後、大蔵省(現・財務省)入省。参議院議員を経て、2024年より財務大臣兼金融担当大臣に就任。暗号資産・ブロックチェーン分野の政策立案にも精力的に取り組み、自民党金融調査会長時代からステーブルコイン法制の整備を主導してきた。


円建てステーブルコインの幕開け

片山大臣はまず、昨年(2025年)10月に国内初の円建てステーブルコインの発行・流通が開始したことを振り返り、さらに先月には信託型として国内初となる新たな円建てステーブルコインの提供も始まったと説明した。トークン化預金についても地域通貨としての発行事例が登場し、準備を進める金融機関が次々と現れていると述べた。
「国内では昨年10月に第1号の円建てステーブルコインの発行と流通が開始され、先月には信託型として国内初の新たな円建てステーブルコインの提供も開始された。トークン化預金についても、すでに地域通貨としての発行事例などが出ている」
補足:国内初の円建てステーブルコインは2024年改正資金決済法のもとで発行が解禁。信託型のJPYCや、3メガバンク連合が検討するデジタル通貨プロジェクトも注目される。

国債のオンチェーン化という次なる挑戦

片山大臣が特に力を込めて語ったのが、国債のオンチェーン化だ。国債の権利移転と管理をブロックチェーン上で行うことで、レポ取引などの国債担保金融取引が24時間365日リアルタイムで実行できるようになる可能性があると指摘。「まるで高市政権のように、24時間365日働いて」とジョークを交えながら語り、大手金融機関が連携した実証実験がすでに始まっていると紹介した。
「国債の権利の移転と管理をオンチェーン化することで、レポ取引などの国債を担保とする金融取引を24時間、365日、リアルタイムで行えるようになる可能性が指摘されており、日本でも大手の金融機関等が連携した実証実験が既に始まっている」

金融庁「PIP」の3プロジェクト

片山大臣は2025年11月に金融庁が立ち上げた「PIP(決済コード化プロジェクト)」を紹介し、現時点で3件の実案件が動いていると明かした。
「3つのプロジェクトが動いている。1つ目は3メガバンクなどによるステーブルコインの共同発行と、これを活用したクロスボーダー決済の円滑化に関するプロジェクト。2つ目はトークン化預金の送金に伴う銀行間決済の円滑化に関するプロジェクト。そして3つ目はブロックチェーンを活用し、国債等の証券決済の高度化を目指すプロジェクトです」
補足:PIPは「Payment Infrastructure Platform」の略とされ、ブロックチェーン技術を活用した決済コード化の取り組みを支援する金融庁の枠組み。三菱UFJ・三井住友・みずほの3メガバンクをはじめ、証券会社や信託銀行も参加している。

物流・商流・決済の一体化で経済全体を底上げ

片山大臣は、ブロックチェーンのプログラマビリティを生かすことで、単なる決済効率化にとどまらず、物流・商流・決済が一体的に連携し、経済全体の生産性を高める可能性があると強調した。その具体的な事例として貿易分野を挙げ、この技術革新に対応するための決済基盤高度化にも取り組むと表明した。
「ブロックチェーン技術のプログラマビリティという特性を生かしまして、物流、商流、決済が一体的に連携することで、単に決済が効率化されるということにとどまらず、経済全体の生産性を高める可能性が広がっています」
最後に片山大臣は、FIFAワールドカップで国境を越えて人々をつなぐ力になぞらえ、オンチェーン金融にも同様のポテンシャルがあると述べてスピーチを締めくくった。世界各地から参加者が集まるWebXの場で、新たなイノベーションが生まれることへの期待を示し、支援を続けていく姿勢を改めて示した。

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