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松本尚デジタル大臣が語るAI主権とサイバー安全保障、日本の成長戦略|WebX2026

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WebX 2026 | 基調講演レポート

松本尚デジタル大臣が語るAI主権とサイバー安全保障、日本の成長戦略

松本尚

7月13日開催のWebX 2026 Binanceステージに、デジタル大臣兼サイバー安全保障担当大臣の松本尚氏が基調講演として登壇した。高市政権の成長戦略における17分野・370兆円規模の官民投資計画を軸に、AIソブリンティの確立、ガバメントAIの展開、そして官民連携によるサイバーセキュリティ強化まで、日本のデジタル国家戦略の全体像を語った。

松本尚

松本 尚(まつもと ひさし)

自民党
衆議院議員、デジタル大臣、サイバー安全保障担当大臣

医師・救急医療の専門家として知られ、政界転身後はデジタル・サイバー政策を担当。高市内閣においてデジタル庁の司令塔として、AIソブリンティ戦略や国産クラウド推進を主導する。

370兆円の官民投資と成長戦略17分野

松本大臣はまず、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の枠組みを説明した。日本の潜在成長率が主要先進国に比べて長年低迷してきた原因を「国内投資の圧倒的な不足」と断じ、過度な緊縮志向を転換して未来への先行投資を行う方針を示した。成長戦略ではデジタル・サイバーセキュリティ、AI、半導体、量子、創薬・先端医療、防衛産業など17の戦略分野を定め、2040年度までの累計で370兆円規模の官民投資を見込む。松本大臣自身はデジタル・サイバーセキュリティと創薬・先端医療の2つのワーキンググループを担当し、官民投資ロードマップの取りまとめを主導した。
「責任ある積極財政と成長戦略の2本立てで、さらなる我が国経済の成長を実現し、強く豊かな日本列島を作り上げてまいります」

AIソブリンティと「信頼できるAI」第3極の構築

AIをめぐる国際競争について、松本大臣は「米国はビジネスを、中国は思想を世界に広げようとしている」と構図を整理したうえで、日本は第3極として「信頼できるAI」の考え方を世界に普及させる役割を担うべきだと主張した。日本のAI法はイノベーションとリスク対応の両立を掲げ、「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指す。また今月取りまとめ予定の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、初めて「AIソブリンティ(AI主権)」の概念を打ち出し、政府としてAI利用における戦略的自律性の確保を重要政策に位置づけた。高市内閣はAIサミットの日本誘致に向けた外交活動も進めている。
「我が国としては第3極として、信頼できるAIという考え方を世界に普及させていくことが重要だと思っています」
補足:AIソブリンティとは、AIシステムの開発・運用・データ管理において国家が自律的な意思決定能力を保持する考え方。米中ビッグテックへの依存リスクを回避するため、欧州でも同様の議論が進んでいる。

ガバメントAIと国産LLM・クラウドの推進

政府の生成AI活用においては、デジタル庁が内製開発した「ガバメントAI」を本年度中に政府職員約18万人が利用できる環境を構築する計画だ。自治体でも活用できるようオープンソースとして公開も行っている。さらに国産LLMについては、政府内での使用を想定した5モデルを選定して評価・検証を進めており、優れたモデルは政府調達を通じて広く活用する方針を示した。インフラ面では、2026年3月に国産として初めてガバメントクラウドに認定された「さくらのクラウド」でこれらのモデルを稼働させる予定だという。
「日本のガバメントAIの考え方は、自律的な能力の確保と柔軟な選択の組み合わせです。国内での自律的な運用能力やデータ管理の主体性の確保も必要不可欠であります」
補足:さくらインターネットのクラウドサービス「さくらのクラウド」は2026年3月、国産サービスとして初めてデジタル庁のガバメントクラウド認定を取得した。

サイバーセキュリティ強化と官民連携への呼びかけ

講演の後半では、サイバーセキュリティを成長戦略17分野を横断する基盤的課題と位置づけ、重要インフラへの高度なサイバー攻撃が国家安全保障上の深刻なリスクになっていると警鐘を鳴らした。政府はサイバー対処能力強化法の制定、新たなサイバーセキュリティ戦略の策定、重要インフラ統一基準の策定などを進めている。さらにフロンティアAIがサイバー攻撃に悪用されることで攻撃のスピードと規模が劇的に増加するという新たな脅威に対し、国家サイバー統合施設(NCO)を中心に「プロジェクトシールド」と呼ぶ対策パッケージを世界に先駆けて公表したと説明した。経済界に向けては「サイバーハイジーン(日常的な衛生管理)の徹底」と「官民連携による人材育成」の2点を特に強調した。
「このフォーラムを通して、皆さんから積極的なご意見やアイデアを賜り、官民一緒になって強い経済の実現に向けて邁進していこうではありませんか」

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