計量経済学で分析する「年末ビットコイン価格」Forbesが掲載した3つの仮想通貨市場価格予想モデルとは

ビットコインの保ち合い相場
ビットコイン価格は、ゴールドマンサックスのフェイクニュースがあった9月初旬から横ばいに推移しており、ここ最近は、日米株式市場の各種指数よりもボラティリティが低くなっていることが明らかになっている。
クリスマスまでの3つの価格予想
海外有名雑誌Forbesで、米ロングアイランド大学で教授を務めるPanos Mourdoukoutas氏が計量経済学に基づいたHayesモデル、Wheatleyモデル、市場モデルの3つの仮説による年末のビットコイン価格予想を比較しながら、現実的な価格予想として8500ドル(約97万円)を挙げた。

継続するビットコインの保ち合い相場

ビットコイン価格はここ2ヶ月の間、6500ドル(約73.5万円)ほどで推移しており、保ち合い相場であると言える。

一般的に仮想通貨はボラティリティが高いものとして認知されている為、ゴールドマンサックスのビットコイン取引デスクに関する計画変更のニュースが流れた9月5日の下落から現在までの約2ヶ月間という比較的長い期間での価格の推移は非常に稀な現象だと言える。

出典:Coinmarketcap

そして、10月末には世界経済の先行きの不透明さから日米の株式市場が下落し、東証の空売り比率が50%を超えるなど、株式市場の不安定さが目立つ結果となった。

注目すべきは、以前Coinpostでも報道した通り、ビットコインチャートと、日経平均、S&P、NYダウ、ナスダック指数を比較した際に、ビットコインのボラティリティがその他指数のボラティリティよりも低くなっていることだろう。

過去の例を見ても、ほとんどの場合、保ち合い相場の後には何らかの大きな動きがあったため、今回の保ち合い相場の後にも大きな上昇、または、下落という動きがあるのではないかとロング・アイランド大学教授のPanos Mourdoukoutas氏は予想している。

Forbesで明らかにされた3つの価格予想

仮想通貨市場がそのような横ばい相場に置かれる中、大手海外メディアForbesで、米国のロング・アイランド大学で教授を務めるPanos Mourdoukoutas氏が今年2018年のクリスマス時点でのビットコイン価格予想を公開した。

同氏の価格予想は、Hayesモデル、Wheatleyモデル、そして、独自の市場モデルと呼ばれる3つの計量経済学に基づいたモデルが使用され、以下のような結果をそれぞれ予想している。

クリスマス時点での価格予想

・Hayesモデル:12,629ドル(約143万円)

・Wheatleyモデル:816ドル(約92,355円)

・市場モデル:8573ドル(約97万円)

Hayesモデル:143万円

2015年に公開された論文を元にしているHayesモデルは、ビットコイン市場の供給面を中心に価格の分析が行われ、マイニング報酬が定期的に半減していき、その供給が発行上限に近づくに連れて減少していくというビットコインの特性が強気な予想に繋がっている。

Wheatleyモデル:9万円

一方で、Wheatleyモデルは既述のHayesモデルと対照的に需要面を中心に価格分析。

同記事内でもあまりに弱気すぎる価格算出である旨が記載されている。

年々ビットコインの使用率は上昇しているものの、未だ普及率が決して高いとは言えない事を懸念点として挙げた。

アメリカ在住の約1900人を対象としたGallup社のビットコインに関する調査結果は以下の結果が出た。

出典:Gallup.com

  • ビットコイン購入に全く興味なし…72%
  • 興味はあるが購入する予定なし…26%
  • 既にビットコインを保有している…2%
  • 将来ビットコインを買う…0.5%以下

上記のように、全体的に興味がまだ無い事が最初の回答から見受けられる。また、実際に仮想通貨を実際に保有している回答者は2%に留まった。

なおアンケートは2018年5月に行われたものだ。

市場モデル:約97万円

そして、最後にForbesに今回の記事を寄稿し、コロンビア大学でも教鞭を執るPanos Mourdoukoutas氏が提唱する市場モデルは、上記2つのモデルの組み合わせであると予想した。

この3つのモデルの中でも、年末までのビットコイン価格を8573ドル(約97万円)と予想する市場モデルこそがMourdoukoutas氏自身の独自の分析であるため、本命の予想だ。

ここ2ヶ月間、ビットコインの価格は6500ドル台をベースに保ちながらボラティリティの低い推移を続けている。

しかしながら、Mourdoukoutas氏が掲げる8700ドルはポジティブな予想でありながら、現実的であると言及した。

年末までの材料

さらに、ファンダメンタル的にも年末の12月29日にはVanEck版のビットコインETFの審査期限(最終審査期限は翌年2月)が迫ってきている他、12月12日には仮想通貨取引所Bakktのビットコイン先物取引開始、大手金融企業のフィデリティが年内に仮想通貨商品提供を発表している など、仮想通貨業界に大きな影響を与える可能性のあるイベントが控えている。

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CZ氏が示唆する年末頃に見られる上昇トレンド

また以前には、仮想通貨取引所BinanceのCEOを務めるCZ氏も、過去を振り返って見ても、仮想通貨市場において強気相場となるのは10月から12月であることが多く、特にクリスマス前に価格上昇が起きやすい傾向を指摘している。

シンガポールで開催された仮想通貨の大型カンファレンスで、最新のトピックについて問われたバイナンス代表のCZ氏が舌鋒鋭く持論を展開、各所から注目を浴びている。一時隆盛した「取引所マイニングモデル」の穴にも言及した。

このように、今後仮想通貨価格が続けて下落していくのか、それともトレンド転換が起き、強気相場が到来するのかは定かではないが、現在の保ち合い相場の後には何らかの大きな動きがあるのではないかと考えられている。

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