エヌビディア、AI需要で過去最高業績
生成AIブームが牽引
米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)は28日、5〜7月期の決算を発表した。四半期の売上高が300億ドル(約4.3兆円)と過去最高に達している。第1四半期からは15%増、前年比では122%増となった。
売上高は市場予想の287億ドルを上回っている。一方で、8~10月期の売上高予想は約325億ドル(4.7兆円)で、市場予想と同水準にとどまった。株価は引け後の時間外取引で約7%下落した。
また、ハイテク大手が、生成AIに関するデータセンター投資を見直す可能性も浮上していることから、株価下落につながったとみられる。
5〜7月期は、特にデータセンター売上高が過去最高の263億ドル(約3.8兆円)で、第1四半期から16%、前年比154%増加している。
純利益も、前年同期の61億8,000万ドル(1株当たり25セント)から、2倍以上の166億ドル(1株当たり67セント)に増加した。同社のジェンスン・フアンCEOは、次のようにコメントしている。
ホッパーの需要は引き続き堅調で、ブラックウェルへの期待も非常に高まっている。
世界中のデータセンターがアクセラレーテッドコンピューティングと生成AIでコンピューティングスタック全体を最新化するために全力で取り組んでいることを背景に、エヌビディアは過去最高の収益を達成した。
ホッパーはGPUアーキテクチャである。ブラックウェルはその後継であり、大規模言語モデル用に特化したものだ。まだ正式発売前だが、推論の分野では、前世代に比べて最大30倍のパフォーマンスを達成したとされる。
エヌビディアの株価は、AI(人工知能)ブームを受けて大きく上昇しているところだ。2023年に約240%急騰し、2024年に入ってからも150%以上上昇している。
時価総額は3兆ドル(約433兆円)を超えており、現在は世界の上場企業中、アップルに次ぐ2位だ。
マイクロソフト、アルファベット、メタ、テスラなど様々な大企業を顧客として抱えており、H100やH200などのエヌビディアのチップは、OpenAIのChatGPTはじめ、生成AIの多くで使用されている。
エヌビディアのコレット・クレス最高財務責任者は、第4四半期にブラックウェルを出荷し、数十億ドルの収益を上げることが期待されると述べた。
ゲーム事業も好調
エヌビディアは、5~7月期にゲーム事業で29億ドル(約4,190億円)の収益を上げた。前年比で16%増加している。PCゲームカードの出荷増加や、ゲームコンソール向けチップが牽引したとされる。任天堂にもチップを提供しているところだ。
また、『インディ・ジョーンズ・アンド・ザ・グレート・サークル』、『デューン: 覚醒』、『ドラゴンエイジ: ザ・ヴェールガード』など、新しいゲームタイトルへのサポートを発表し、GeForce RTXの支援するゲームとアプリ総数は600を超えた。
日本でも、クラウドゲーミングプラットフォーム「GeForce NOW」のサービスを提供開始している。
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