BCCCとJCBAが相互連携協定を締結|仮想通貨及びブロックチェーン技術の普及推進を目指す
- BCCCとJCBAが相互連携協定を締結
- ブロックチェーン推進協会と日本仮想通貨ビジネス協会は27日、相互連携の締結を行った。BCCCが発行・運営、対日本円為替レートが安定的に推移する「仮想通貨ZEN」の社会実験プロジェクトも第2フェーズへ移行する。
BCCCとJCBAが相互連携協定を締結
27日、JCBA(日本仮想通貨ビジネス協会)とBCCC(ブロックチェーン推進協会)の共同記者会見が行われ、BCCCとJCBAが協定を締結したことを発表、相互連携の締結および調印を行った。
両団体の持つ、金融ノウハウやブロックチェーンに関する相互の知見を最大限活かし、社会全体への啓発活動にも着手するという。
具体的な連携内容は、以下の通りだ。
- 両協会が運営する部会への相互参加・交流
- 広告部会における連携(広報活動や各種プレス対応での相互連携や知見共有)
- 両協会が運営する部会の講師に相互のメンバーを派遣し合うことによる知見共有
- 社会全体の啓発に繋がる大規模イベントの共催(2019年内の実施を検討)
JCBA:システム部会、セキュリティ部会
BCCC:金融部会、リスク管理部会
BCCCは、金融に限らず、ブロックチェーン技術の幅広い普及推進を行う団体で、企業数250社以上が加盟。加盟法人のうち、約1/4が上場企業だ。
BCCC公式サイトによると、「会員が相互に情報交換、切磋琢磨しながら、ブロックチェーンの普及啓発を行い、自らブロックチェーンの適用領域を拡大することによって、わが国産業の国際競争力増進に貢献するとともに、ブロックチェーン技術の進化にも寄与することを目的」としている。
配布された資料では、以下の2点について言及されている。
- Googleトレンド上での「ブロックチェーン」は、2017年から2018年にかけてビットコインと同じような動きを見せている
- 不正流出後のブロックチェーンの国内市場規模予想は、今後10倍以上に膨れ上がるだろうと予想している
BCCC(ブロックチェーン推進協会)は、発行・運営する「仮想通貨”ZEN(JPYZ)”」にも力を入れていおり、来年は現在実施中の社会実験の第2フェーズに移行するという。
仮想通貨Zen(JPYZ)とは
Zenは、日本円との為替が安定して運用されることで、将来的に実ビジネスでの使用に耐えうる仮想通貨とすることを企図した、ブロックチェーンにより実装されたデジタルトークンだ。主な特徴は、以下の通り。
- 日本円との交換レート(1Zen=1円)が安定的に推移するよう設計されていること
- 複数種類のブロックチェーンおよび、分散型台帳上で稼働することができること
- Zenの運営にスマートコントラクトを導入することにより、運営の信頼性 をブロックチェーンにより確保することを企図していること
Zenを使用した社会実験
対日本円為替レートが安定的に推移する仮想通貨を作り出すことができるかどうかにつき社会実験する日本初のプロジェクトとして、2017年5月15日から社会実験を開始。
第1フェーズとして、プライベートブロックチェーン上のトークンとして、本社会実験に参加する特定のBCCC会員企業向けに実装されていた。
2017年に公開されたプレスリリースによれば、「Zenの流通を促進するために、参加企業間の決済はできるだけZenを用いる。例えば、「ブロックチェーン大学校」の授業料は、Zenのみで支払うことができることとする。」としている。
第2フェーズでは、第1フェーズでの実験結果を踏まえて必要な改善を行い、より幅広い用途・領域、対象企業もBCCC会員以外にも広げた社会実験を展開する構想としている。
企業活動における仮想通貨利用最大の課題として、法定通貨との為替変動が大きすぎる点を問題視。以下の3点を特徴にしている。
- 為替があっても安定すること(保証型ではない)
- 金融庁に仮想通貨として登録済み
- 第一フェーズを終了し、レポートを発行
経産省の試算によると、国内ブロックチェーン関連市場の仮想通貨関連インフラにおけるビジネス規模の割合は、わずか1.5%にとどまり、今後幅広い分野での利活用と市場介入が期待されている。
質疑応答
- ―2018年はICO関連の動きが少なかったが、2019年に金融庁等の規制が明確化して中で、ICOやトークン販売を伴わない新たなトークンエコノミーがどうなっていくのか?
-
奥山氏
国内でトークンを売買・取引するためには交換業が必要となってくる。
交換業者の取り扱い仮想通貨として取引所にリストされる必要があるのが現状だ。
これまで国内での何をもってICOというのか、取り扱い通貨のガイドラインが不明確であったが、2018年は足踏みした1年となったと感じられる。
金融庁の仮想通貨研究会が無事終了し、最終報告が作業が進められている認識をとっている。
それを踏まえ、金融庁、及び自主規制団体が仮想通貨の取り扱いについてのルール整備、必要であれば法整備も進んで行くだろうと考えている。
きちんとた形として仮想通貨(トークン)が取り扱われるのが来年の状況となっていき、ICOなどに関しては法整備と合わせながらリストされていくことが考えられる。
海外では詐欺やプロジェクトが進んでいないなどの状況が多発しているが、日本国内では法整備を行うことで仮想通貨やトークンが普及していくことになれば先進国の中で、日本のルール整備は進んでいることが世界をリードしていくと思われる。
-
平野氏
1年前を振り返ると、ICOは既存の法律の枠から規制されないようなICO(いわゆるユーティリティトークン)が非常に多かった。
この1年間で、海外ではSTOを使ったOfferingが増加している。
一方、日本では法整備や法律面での議論が進められた1年となったが、2019年はSTOが流行る可能性があると考えている。
- ―ブロックチェーンの信頼性は損なわれていないとのことだが、再び巻き返してくることはあるのか?
-
平野氏
最近、ブロックチェーン技術の採用などは下火になってきている。
新技術はゆっくりと上がってくるものと考えていたが、昨年一気にブームが来た。
現在、相対的には沈んでいるが、2年前に比べると全く沈んでおらず、むしろ進んでいる。
ブロックチェーン実装や普及については、行き過ぎていたものが下がっているだけのことであり気にしていない。
新技術の実装は、例で挙げるとクラウドがある。
クラウドは2005〜2006年に出て、実際に企業が採用したのは2015〜2016年くらいだ。
その当時は、データは手元に置いておかないと危ない、クラウドに置いていては危ないということと同じように、ブロックチェーンは大丈夫なのかと同じ話に当たっていると考えている。
一方で、クラウドと異なる点は、ブロックチェーン技術の実装については一企業内だけではなく、コミュニティや団体などでまとまって行うことで効果があると思っている。
スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者5,000名を突破しました。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します