ビットコインをめぐるウォール・ストリートの大分裂
- ウォール・ストリートでビットコイン等の仮想通貨に関する意見が対立している
- 賛成派はデジタル通貨の新たなプラットホームの研究を進め、反対派はデジタル通貨が「いい結果には終わらない」と発言しています。
ウォール・ストリートは一時期資金面ではアメリカの、そしてある程度金融部門では世界的な統一戦線でしたが、今はビットコインなど仮想通貨に関する意見の分裂に苦しんでいます。
仮装通貨業界が急成長し続ける中、投資者、財務管理者及び大手投資銀行の社長がそれぞれの理由で意見の別れたそれぞれのグループに属している状態になってきています。
仮想通貨の価格を大きく左右する社長や投資銀行の動きに注目して整理しました。
賛成派
ビットコイン最近の成功はゴールドマンサックスによるものでした。
ゴールドマンサックスは仮想通貨業界に少しずつ歩み寄っており、ビットコイン及びイーサリウム取引を中心とした新たなプラットホームを模索しています。
そのプラットホームはLloyd Blankfein(ブランクファイン氏)社長によって運営され、JPモルガン・チェースのJamie Dimon(以下ダイモン氏)社長がビットコインに対しての批判を公表した数週間後に始動します。
しかし、JPモルガンはある程度二極化しているように思えます。
社長であるダイモン氏は従業員がビットコインを取引したり関わる事に対して、退職させる等の発言をし脅迫をしていましたが、それと同時期に会社自体では仮装通貨の基盤であるブロックチェーンの研究をしています。
Fidelity Investments社(フィデリティ証券)はウォール・ストリートのために勇敢な政策を実行しました。
Abigail Johnson(ジョンソン氏)社長はアメリカの仮想通貨取引所Coinbaseのアカウントを有している顧客へのサービスとして、投資マネージャーのウェブサイト上で仮想通貨残高を閲覧可能にしました。
モルガン・スタンレー社はJames Gorman(ゴーマン氏)社長がビットコインを「ビットコインは明らかに単なる一時的な流行を超えている」と発言しており、賛成側のようです。
反対派
ダイモン氏はビットコインを「偽物」で「最終的に破裂する」と宣言しました。
JPモルガンの社長と彼のビットコインについての考えは中国のICO禁止や取引所の閉鎖報道と同時期に発言されたことから 、当時の値下がりの要因の一つと言われています。
「チューリップ・バブルよりもひどいので、いい結果には終わらないでしょう」とダイモン氏が17世紀のバブルを引き合いに出して説明しました。
チューリップバブルとは、熟練した職人の年収の10倍以上の価格で販売されるチューリップ球根も複数存在したほど、チューリップが投機対象として高騰し、バブル崩壊を経て価格が急落した投機バブルです。
映画ウルフ・オブ・ウォール・ストリートで最近不滅の名声を与えられたJordan Belfort(ベルフォート氏)は新時代の仮装通貨に反対しています。
彼はダイモン氏の考えに賛成しており、それに加えオンライン通貨のセキュリティーに対する心配についても言及しています。
Wall Street Great Bitcoin Divide
Oct 4, 2017 Darryn Pollock
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
このように世界金融の中心地と呼ばれるウォール街においても、仮想通貨市場の拡大を無視できない状況になってきていることは間違い無く言えるでしょう。
ウォール街の投資銀行で動かしている資金が仮想通貨市場に流入する事による、市場への影響は世界中で予想されており、ウォール街の動向は仮想通貨をトレードする上でもとても重要となるでしょう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します