仮想通貨XRPの時価総額「約6000億円水増し」を指摘するレポートが公開 リップル社側は強く反論
- 仮想通貨XRPの時価総額計算方法は正確か
- 仮想通貨リサーチ企業Messari社が仮想通貨XRPの時価総額は実際の値より約6684億円水増しされていると指摘した。なおリップル社はこれらの疑惑を否定している。
仮想通貨XRPの時価総額の水増しを示唆するレポート
仮想通貨リサーチ企業Messariが仮想通貨XRPの時価総額は実際の額より約61億ドル(約6684億円)水増しされていると独自のレポート内で指摘した。
本稿執筆時点で、時価総額2位の仮想通貨XRPの時価総額はおよそ130億ドル(約1.4兆円)で、流通量は約410億XRPと表記されているが、Messari社はその内192億XRPが非流動的、または販売制限の対象となっていると疑問視している。
同社が非流動的であると指摘する192億XRPの内訳は以下が含まれているとされている。
- リップル社共同設立者Jed McCaleb氏が保有する最低67億XRP
- リップル社の共同設立者Chris Larsen氏が非営利団体RippleWorksに寄付すると公約した59億XRP
- RippleWorksの所有する25億XRP
- リップル社の送金事業、XRPーIIが所有する41億XRP
またMessari社は独自のレポート内で以下のように結論を下した。
…このようなことから、リップル社のXRPデータAPIに頼って正確な流通量を計算できるとは信じがたい。
リップル社の公式見解は?
リップル社はこのレポートの調査結果に対して海外の仮想通貨メディアに以下の様に時価総額の水増しを否定し、Messari社に対して意義を申し立てた。
このレポートはロックアップやXRP売却に関する複数の間違った憶測を前提にしている上、レポート全体が間違った時価総額の計算方法を採用している。
分散化されたデジタル資産のXRPは伝統的な株式とは異なるものの、「時価総額」の計算方法は至って簡単だ。
常に「現在の価格 X 資産の総数 = 時価総額」である。
つまり現在の仮想通貨XRPの時価総額はおよそ310億ドル(約3.46兆円)となる。我々はこれ以外の時価総額の計算方法は事実の明確な表現ではないと思う。
異なる時価総額の捉え方
これまでもXRPの時価総額算出方法に関しては、議論の対象となっていた。
例えば、仮想通貨業界の中でスタンダードとなりつつあるCoinMarketCapのデータでは、今回のレポートでも指摘されるように、130億ドル相当の表記になっており、この算出方法だとイーサリアムと時価総額が近いため2位と3位の座を入れ替える動きが盛んに見られていた。
一方で、CryptoCompareや、YahooFinanceやForbes Crypto Marketといった金融関係を含む時価総額算出サイトでは、リップル社が指摘する時価総額と同水準にあたる数値が記載されている。要するに、この時価総額表記を基準として考えると、CoinMarketCapなどの掲載数値が過小表記になっていることになる。
今回のレポートでは、低い水準で表記されているCoinMarketCapよりさらに約61億ドル(約6684億円)低い数値になるとの指摘となるが、Ripple社の保有資産の捉え方や流通量の捉え方など、各社の見方によって意見が異なる状況が、今回のようなレポートの発表につながったと言えるだろう。
リップル社が公開した、第4四半期(海外基準)のQ4レポートは、後ほど詳細を記事で紹介いたします。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します