経産省、30年度補正予算で「ブロックチェーン」の関連サービス・アプリ開発に対する支援へ
- 経産省、30年度補正予算で「ブロックチェーン」の関連サービス・アプリ開発に対する支援へ
- 経済産業省は、音楽の二次創作などブロックチェーン技術を活用したコンテンツに関するサービス・アプリケーションに必要となる基礎的な機能について調査・検討を行い、ブロックチェーンに関する報告書を公表する。
経産省、30年度補正予算で「ブロックチェーン」の関連サービス・アプリ開発に対する支援へ
経済産業省は、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツに関するサービス・アプリケーションに必要となる基礎的な機能について調査・検討を行い、ブロックチェーンに関する報告書を公表する予定だ。
目的
経産省は資料の中で、「コンテンツのデジタル化が進み、誰しもがコンテンツの制作者になれる様々なプラットフォームが登場している中で、このようなコンテンツを、デジタル技術を活用した権利管理・利益分配によりマネタイズすることで、新たなコンテンツ市場を創出していくことが可能になると考えられる。」と指摘。
検討に当たって、音楽のN次創作(あるコンテンツを元に別の新コンテンツを創作すること)を発信・視聴するプラットフォームとして、原コンテンツとN次コンテンツの制作者の権利関係の記録や、利用者からの支払対価の分配を行うサービス・アプリケーションを題材に議論したという。
国の補正予算に
重要なのは、平成30年度補正予算「コンテンツグローバル需要創出等促進事業」において、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツに関するサービス・アプリケーションの開発に対する支援を措置(手続き)した、という部分だ。
補正予算とは、本予算の不足分を補う予備費のようなもので、著しい社会情勢の変化、突発的な自然災害対策など、新たな財政需要が発生したときに編成されるもの。
つまり経産省は、日本の「コンテンツグローバル需要創出」において、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツを評価しており、国家(補正)予算に組み込んだということになる。
なお、コンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金については、以下の事業を対象としている。
- コンテンツ等の海外展開を行う際のローカライズ及びプロモーションを行う事業
- 海外展開を目指すコンテンツの企画・開発として試作映像等を制作する事業
- デジタル技術を活用した先進性の高いコンテンツ等の開発等を行う事業
経産省によるブロックチェーン市場調査
経産省は2016年4月、IoT(モノのインターネット)を含む非常に幅広い分野への応用が期待されているとして、ブロックチェーンが興す社会変革の可能性を図解、「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査」を取りまとめている。
その報告書の中で、ビットコイン等の価値記録の取引に使用されているブロックチェーン技術について、「その構造上、従来の集中管理型のシステムに比べ、『改ざんが極めて困難』であり、『実質ゼロ・ダウンタイム』なシステムを『安価』に構築可能という特性を持つともいわれ、IoT を含む非常に幅広い分野への応用が期待されている。」と評価。
一方で、「国内企業は個別に技術検証が始まった段階であり、あらゆる産業分野における次世代プラットフォームとなる可能性をもつブロックチェーン技術において、主導権を海外企業等に握られる恐れがある」と危惧していた。
また、一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)は、2019年の年頭所感で、経済産業省の試算を引き合いに出し、以下のように述べている。
国内では、ブロックチェーン関連市場で、仮想通貨に関連したインフラにおけるビジネス規模の割合はわずか1.5%に過ぎず、今後はサプライチェーン、トレーサビリティ、そしてトークンエコノミーなどの幅広い分野での利活用と市場拡大が期待されている。
ブロックチェーン技術は、仮想通貨の運用基盤としてだけではなく、私たちのビジネスや生活を支える社会インフラを担う可能性を持ったテクノロジーだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します