
新ポストに期待感
金融庁は8日、総合政策局に「暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官」のポストを新設し、今泉宣親氏の就任を発表した。
同氏はこれまで市場企画室長および資産運用改革室長を歴任し、金融市場および資産運用分野での豊富な経験を有している。
「暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官」というポスト名は、従来の規制中心のアプローチから、技術革新(イノベーション)を促進する積極的な姿勢への転換を示唆している。総合政策局直下への配置も注目すべき点であり、暗号資産・ブロックチェーン政策が、金融庁の重要戦略として位置づけられていることを意味する。
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金融庁の動向
金融庁は現在、暗号資産を資金決済法の下で規制する現行の枠組みが適切かどうかについて、数カ月間かけた評価を実施中だ。この見直しが完了すれば、暗号資産ETFの承認や税制改正の議論において業界側に有利に働く可能性がある。
専門参事官の新設により、この重要な政策転換プロセスが加速されることが期待される。特に、暗号資産を金融商品取引法の対象とする可能性も検討されており、これが実現すれば業界の法的地位が大幅に向上する。
金融庁は暗号資産・ブロックチェーン分野での国際的なプレゼンス向上も図っている。国際競争力強化のための「Japan Fintech Week 2025」の開催など、海外からの投資や技術導入を促進する施策を積極的に展開中だ。
業界関係者は今回の人事異動について、「これまでの慎重な規制姿勢から、イノベーションと利用者保護のバランスを重視した政策への転換点」と評価している。
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