ゴールドの価格急騰と、1万ドルを突破したビットコイン(BTC)高騰が示すもの

ゴールドの価格急騰と、1万ドルを突破したBTC高騰が示すもの
米NY先物市場でゴールドが急騰、2013年以来の高値を記録した。デジタル・ゴールドと呼称されるビットコイン(BTC)もついに1万ドルを突破した。その背景には何があるのか。

ゴールドの価格急騰と、1万ドルを突破したBTC高騰が示すもの

仮想通貨ビットコイン(BTC)が10,000ドル(107〜108万円)に到達した。 10,000ドルの大台を超えるのは、昨年3月以来、約1年2ヶ月ぶり。

最大の心理的節目として国際金融市場の関心が高まっていた。 さらに、続伸するのかどうか注目されている。

また、6月18~19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内の利下げが示唆されたことで、金(Gold)価格が急伸している。 20日には、金先物価格は一時1410ドルを上回り、2013年8月以来、5年10カ月ぶりの高値を付けた。

米NY金先物

米連邦準備理事会(FRB)は19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、先行きの不確実性を認めた上、声明文から「忍耐強い」との文言を削除し、「適切に行動する」と変更したことも思惑を呼んでいる。

2018年10月〜2019年始には、FRBの金利の上昇と金融引き締めを機に世界の株式市場が動揺を見せ、大暴落した伝統金融市場であったが、4月には米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派転向(利上げ終了の思惑)など長期金利低下の影響を受け、株高のリスクオンに傾倒しつつあった。

しかし、長期化する米中貿易摩擦問題は依然として解消されておらず、各国の経済指標をはじめリセッション懸念と先行き不透明感が警戒されている。今月末に開催される、20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて実施予定の「米中首脳会談」で交渉が円滑にまとまる確率は前回の直接交渉時よりも大幅に低下しているとの指摘もある。市場から実質的決裂と見なされるようなことがあれば、さらなる深刻化は免れないだろう。

直近の金価格の高騰も、金利水準低下予想などの影響に加え、中東情勢の緊迫化や英国のブレグジット問題、香港の大規模デモ、中国やメキシコとの貿易摩擦などの地政学リスクを受けて、リスク回避の一環で買われているとの見方が強い。

特にイランに関しては、イランのタンカー攻撃疑惑だけに留まらずイラン革命防衛隊がアメリカのドローン偵察機を撃墜した問題などが新たに取り沙汰されている。米トランプ政権が「イラン攻撃を一時承認した」などと軍事衝突を示唆する情報が伝えられると、金(ゴールド)だけでなく安全資産とされる日本円やフランも急速に買われた。

なお、みずほ銀行のエコノミストの北野一氏は4月中旬、テレビ東京の経済番組「モーニングサテライト」にて、ビットコインが5,000ドルまで急回復した際、FRBの信任についての考察を述べた。

「ビットコインの高騰は、FRB(米連邦準備制度理事会)の信頼が揺らいでいたことが背景にある可能性もある。

金本位制度が始まり、1753年〜1953年まで金利3〜6%で安定していた。金本位にしても中央銀行の独立性にしても、背景にあるのは抵抗権だ。そういった意味で、ビットコインには、本質的に「抵抗権」が含有されるという点は注目に値する。」

ビットコインなど仮想通貨市場には追い風か

今後も、米欧の中央銀行が金融緩和姿勢を強める中での世界的な金利安と、不況時に景気底上げのために行う金融政策の1つである「金融緩和政策」の流れが継続するのであれば、世界的な「低金利・通貨安」が加速することになり、デジタル・ゴールドと呼称されるビットコイン(BTC)にとって追い風となる可能性がある。

日銀の黒田総裁は20日、金融政策決定会合で「状況に応じて、躊躇なく追加緩和を検討する」との考えを示し、超低金利政策の指針を少なくとも2020年春頃までは維持すると強調している。

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みずほ銀行のエコノミスト北野氏は、テレビ東京の経済番組でビットコインが5,000ドルまで急回復した理由について、米政権の信認低下や金本位制の事例から独自の考察を述べた。
ビットコインETF上場によって、機関投資家が市場に参入するための環境整備が整う。金ETF上場後には金価格が大幅に上昇したという歴史も。また、投資家保護にも有効。一方、ビットコインETFの上場申請が認可されないと考える専門家も存在する。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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