国税庁は2026年9月24日、約25年ぶりの刷新となる次世代システム「KSK2」の本格稼働を開始した。税目ごとに分かれていたデータベースが統合され、同一の納税者について複数の税目を横断して参照できる構造になった。
国税庁は、保有する情報が税目を超えて一元化されることで、より公平・適正な課税事務の執行が可能になるとしている。
複数の税目にまたがりうる暗号資産は、この刷新でどのような位置づけに置かれるのか。CoinPost編集部は国税庁に対し、刷新の背景、税目横断のデータ参照が持つ意味、そして暗号資産取引に対する調査の実態について取材した。回答は国税庁の見解として寄せられたものをそのまま掲載する。
紙を前提とした事務運営の制約
入力した内容を帳票で出力して確認するなど、設計当初の事務運営を基にしたものとなっていました。
また、電子申告の推進により一定のデータ化は進んでいたものの、従来のKSKシステム上に取り込む情報には制約がありました。
結果として、紙を前提とした事務運営となっており、事務が煩雑で、様々なデータ分析を行う上でも使い勝手の悪いものとなっていました。
税目横断のデータ参照が持つ意味
刷新のコンセプトとして掲げられたのが、税目別データベースの統合である。暗号資産は売買益が所得税の対象となる一方、贈与や相続では資産税の対象にもなり、複数の税目にまたがりうる資産にあたる。
従来のKSKシステムは、課税、債権管理など事務系統毎にシステム・データベースを構築した結果、税目・事務系統を横断したデータ参照が十分なものとはいえませんでした。
KSK2では、データベースを統合しており、参照権限等の設定には細心の注意を払っていますが、同一納税者の所得税から資産税まで、複数の税目を横断的に一元管理・検索ができる構造となっています。
全国の税務署は保有する情報が税目を超えて一元化されることで、より公平・適正な課税事務の執行が可能となると考えております。
1件当たり追徴税額の開き
国税当局においては、提出された申告書等をはじめ、様々な機会を捉えて課税上有効な各種資料情報の収集・分析に努め、申告のない方も含め、課税上問題があると認められる場合には税務調査を実施するほか、暗号資産等の新たな経済取引に係る取引実態の把握を行っているところです。
1件当たりの追徴税額が所得税の実地調査全体と比べて高い水準となっている要因について詳細な分析を行っているものではありませんが、暗号資産等取引は価格変動が大きく、取引規模によっては利益額が多額となる場合があることなどが、その一因であると考えています。
暗号資産等取引の調査は1件当たり金額が全体平均を上回る(令和6事務年度)
出典:国税庁「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」(PDF)をもとにCoinPost作成
他の所得分野との位置づけ
令和6事務年度において、暗号資産等取引に係る調査の1件当たりの申告漏れ所得金額及び追徴税額は比較的高い水準となっていますが、他の所得分野との網羅的な比較は行っていないため、一概に位置付けを申し上げることは困難です。
いずれにしても、国税当局としては、適正に申告・納税を行っている方々が不公平感を抱くことのないよう、税務調査を含め様々な取組を通じて、今後とも、適正・公平な課税の実現に努めてまいります。
1件当たり追徴税額は実地調査(特別・一般)全体の何倍か(令和6事務年度)
出典:国税庁「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」(PDF)をもとにCoinPost作成。
同資料は各分野を所得税の実地調査(特別・一般)全体とそれぞれ比較しており、分野間の比較ではない
資料情報の収集範囲
調査の端緒となる「資料情報」の対象として、ウェブ上の発信やSNSの投稿、オンラインサービスの利用履歴が挙げられることがある。その具体像を尋ねた。
資料情報の収集の対象に関するご質問につきましては、脱税事件等の発見や端緒に関する事項であり、調査手法にも関わる内容であることから、租税犯罪の予防等の観点を踏まえ、お答えすることは差し控えさせていただいております。



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