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国税庁が調査結果を発表、暗号資産取引の追徴税額46億円に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

調査件数613件、申告漏れ156億円

国税庁は11日、令和6事務年度(2024年7月〜2025年6月)における所得税及び消費税の調査状況を公表した。

暗号資産(仮想通貨)等取引を行う個人に対する実地調査(特別調査・一般調査)は613件実施され、追徴税額の総額は46億円に達した。前事務年度の35億円から31.4%増加し、調査件数も535件から14.6%増加している。

仮想通貨等取引の調査状況 出典:国税庁

1件当たり金額の比較(暗号資産 vs 全体平均)

暗号資産取引に対する調査では、1件当たりの追徴税額・申告漏れ所得金額ともに、所得税の実地調査全体を大きく上回っている。

CoinPost作成

国税庁は暗号資産取引を含むインターネット取引について、資料情報の収集・分析に努め、積極的に調査を実施している。

シェアリングエコノミー等新分野の経済活動に係る取引についても1,155件の実地調査を実施し、1件当たりの追徴税額は305万円となった。調査全体においてはAIを活用した調査対象の選定も進められており、実地調査と簡易な接触を合わせた調査等による追徴税額の総額は過去最高を記録している。

申告漏れ・無申告のリスク

税務調査では、損益計算の正確性、取引内容の網羅性、DeFiやエアドロップなど特殊な取引の処理が主なチェックポイントとなる。

国内外の複数取引所を利用している場合は、すべての取引所の損益を合計して申告する必要があり、一部の取引所分のみを申告すると申告漏れとみなされる可能性がある。マイニングやステーキングで得た報酬も、適切なタイミングで計上が必要となる。

確定申告の間違いや申告漏れが発覚した場合、本来支払うべき税金に加えて延滞税や加算税などの追徴課税が課される。無申告の場合は無申告加算税として最大20%が上乗せされ、意図的な隠蔽や偽装が認定されれば重加算税として35〜40%が課される場合もある。

所得税無申告者に対する実地調査では、1件当たりの追徴税額が524万円と過去最高を記録しており、無申告への対応は一層厳格化している。

関連:仮想通貨の税務調査で追徴課税?確定申告のミスが引き起こす具体的リスクと対策|Gtax寄稿

今後の税制動向

現行制度では暗号資産の利益は雑所得として総合課税の対象となり、他の所得と合算して累進税率が適用される。所得税と住民税を合わせて最大55%に達するケースもあり、損失の繰越控除も認められていない。また、FXなど他の金融商品との損益通算もできないため、収益管理が困難な状況が続いている。

こうした中、政府・与党は暗号資産取引で得た所得を株式などと同様に分離課税の対象とする方向で調整を進めている。

12月9日の補正予算をめぐる国会質疑では、国民民主党の岸田光広議員が暗号資産に係る税制の抜本的改革を求め、高市早苗首相は「課税の見直しについては与党の税制調査会において検討が進められており、政府としても適切に対応していく」と答弁した。

関連:補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁

分離課税が導入されれば、税率は株式や投資信託と同様に所得税15%と住民税5%を合わせた一律20%となる見通しだ。損益通算や損失の繰越控除が可能になるほか、暗号資産を組み入れた投資信託が国内で解禁される見通しも示された。

国内取引所における特定口座制度の導入も想定され、年間取引報告書の自動作成や源泉徴収により申告負担が大幅に軽減される可能性がある。金融庁の金融審議会は11月末に報告書案を取りまとめ、暗号資産の規制体系を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ一本化する方向性を示しており、年末の税制改正大綱で具体的な方針が示される見込みである。

ただし、海外取引所での取引については特定口座の対象外となる可能性が高く、投資家は引き続き取引履歴の正確な管理が求められる。

関連:暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿

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