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ファンプラIEO参加方法|コインチェックの実績と注目点

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音楽ファンクラブ運営大手が参画

仮想通貨(暗号資産)取引所コインチェックで10月21日〜11月4日に、株式会社Fanplaの仮想通貨「ファンプラ(FPL)」のIEO(Initial Exchange Offering)が実施された。国内9例目、音楽業界初の案件として注目を集めた。

国内初の先駆けとなったコインチェックで実施された過去3件のIEOでは、抽選倍率が最大20倍超を記録。投機需要の高さから、いずれも上場後の初値は公募価格を大幅に上回った。

一方で、仮想通貨の税制は株式よりも不利であり、価格変動リスクも大きい。IPO以上にハイリスク・ハイリターンな性質を持つ。また、海外の主な成功事例と比較すると、国内発の新規トークンはプロジェクトの評価が芳しくなく、長期保有に適さないケースも少なくない。

【11月13日更新】 FPLの応募総額は90.6億円、申込口座数は28,523口座、抽選倍率は9.06倍だった。販売総数10万口に対し申込口座数が下回り、申込者全員に最低1口(1万円)が確定配分される結果となった。

本記事では、IEOの仕組み、IPOとの違い、過去実績、投資時の注意点を解説する。

目次

     
  1. IEO概要
  2. 注目ポイント①:過去IEOで堅調なパフォーマンス
  3. 注目ポイント②:初値後の価格推移は「プロジェクト」次第
  4. Fanplaとは?
  5. IEOの投資リスクと今後の課題

IEO基本概要

  • 通貨名:FPL
  • IEO販売枚数:10億FPL(最大発行枚数の10%)
  • IEO販売価格:1.0円/FPL
  • 申込単位:1万FPL(1万円)
  • 申込期間:2025年10月21日〜11月4日
  • 取扱開始予定:2025年11月11日(火)コインチェック取引所・販売所にて
IEOスケジュールの詳細

出典:Coincheck

IEO開始までにやるべきこと

IEO抽選申し込みや上場後の売買にはコインチェックの口座開設が必須となる。KYC(身分確認)などの手続きを踏まえると、希望者は早めに口座開設しておくことが望ましい。申込開始が近づくと口座開設が集中し、KYCに1週間以上かかる場合も考えられるためだ。

  • コインチェックで無料口座を開設する
  • KYC(本人確認)を完了させる
  • IEO販売ページを確認する—トークン概要・販売スケジュール・購入条件などをチェック

関連:コインチェックの使い方・メリットと口座開設手順、アプリ活用法を解説

注目ポイント①:過去IEOで堅調なパフォーマンス

ファンプラ(Fanpla)のIEOを開催するコインチェックは、東証プライム上場のマネックスグループ傘下の暗号資産交換業者であり、過去3回のIEO実施実績を持つ。

今回はコインチェックIEO第4弾となる。過去3回のIEOでは、いずれも非常に高い抽選倍率となり、コインチェック上場直後には公募価格の4〜10倍に高騰。第一弾のパレットトークンではピーク時に20倍を記録するなど、大幅な値上がりが見られた。

一方で、長期保有では公募価格を大きく割り込むケースもあることから、初値売りやセカンダリ取引の初動で利益確定を狙う投資家が増えると考えられる。

主要IEOプロジェクト比較(BRIL / FNCT / PLT)

項目 FPL (2025年) BRIL (2024年) FNCT (2023年) PLT (2021年)
調達額 10億円 15.12億円 10.66億円 9.3億円
販売価格 1.0円 21.6円 0.41円 4.05円
応募者数 28,523口座 7.94万人 2.4万口座 6万人
累計申込金額 90.6億円 333億円 200.3億円 224.6億円
抽選倍率 9.06倍 22.04倍 18.78倍 24.11倍
初値 1.495円
(最高値)
99.66円 2.07円 6.00円
初値騰落率 +49.5%
※取引開始1分で0.510円
+361% +405% +48%

過去のデータを見ると、コインチェックのIEOは常に数万人規模の応募を集めており、高水準の関心を維持している。特にBRILでは応募者数が約7.9万人と過去最多を記録した。

ファンプラ(FPL)IEOでは、販売総数10万口(10億FPL)、公募価格1円/FPL、総調達額10億円が設定されている。応募者が10万人を超えた場合は抽選制に移行し、1人あたり1口(=1万FPL)までに制限される仕組みだ。

コインチェックの過去3件のIEOでは、応募者数が数万人規模で安定しており、倍率も20倍前後で推移している。2021年のPLTは約6万人(24倍)、2023年のFNCTは約2.4万口座(18倍)、2024年のBRILは約7.9万人(22倍)だった。近年は応募者数が大きく増えているわけではなく、すでに成熟した参加層が形成されているといえる。

その中で、今回のファンプラは調達額を10億円と、直近のBRIL(約15億円)より小規模に設定しており、販売枠を絞ることで需給の引き締めを狙っている。応募水準が従来並みであれば倍率は相対的に上昇しやすく、抽選制の導入によって実際の配分は限定的になる見込みだ。

結果として、初期の需給環境はポジティブに働く可能性があるが、流通量の制約から出来高不足や価格変動の振れ幅にも注意が必要となる。枠を絞ったことで需給面の優位性を確保しつつ、上場後はどこまで市場の厚みを維持できるかが焦点となる。

コインチェックIEOの抽選方式を詳しく見る

出典:Coincheck

ただし、IEOの応募数はプロジェクトの注目度や市況によって大きく変動するため、過去のデータを参考にしつつも、実際の倍率は当日の応募状況によって左右される点に注意が必要だ。

注目ポイント②:初値後の価格推移は「プロジェクト」次第

国内IEOは今回のファンプラで9例目となる。近年はIEO案件が増え、上場直後は盛り上がるものの、価格や出来高が持続しないケースも見られる。

コインチェックの過去事例でも、初値は公募価格を大きく上回った一方で、数週間〜数か月後には取引量が減少し、実需を伴うトークンエコノミーを確立できているか疑問視されるプロジェクトも存在する。もし市場にマンネリ感が広がれば、初値後の出来高不足から価格変動が限定的になる懸念もある。

今回のFPLも、当初は「音楽 × トークン」という話題性で注目を集める可能性が高いが、上場後に取引需要が継続するかどうかは、プロジェクト自体の実装力とファン層の参加意欲にかかっている。

トークン発行にとどまらず、ファン活動や決済など、トークンが「使われる」設計をいかに早期に実装できるかが持続的な価値形成の鍵になるだろう。

Fanplaとは?

Fanplaプロジェクトは、SNSでの拡散や日常的な推し活といった「ファンの創造的な活動」の価値を、具体的な体験や企画として還元できる独自のトークン経済圏の構築を目指している。プレミアムライブチケット、限定グッズ、メタバース空間でのデジタルアセットの決済や受け渡し、さらには新作制作資金調達までを視野に入れている。

出典:Fanpla

協業パートナーのFanplusは、700を超える公式ファンクラブと400万人を超える有料会員基盤を持つ業界最大手。長年にわたり培ったファンクラブ運営のノウハウを基盤に、アーティストとファンが安心して参加できる環境を提供する方針だ。

GLAY、UVERworld、THE YELLOW MONKEY、マカロニえんぴつなど、日本を代表するアーティストを抱える10社以上の音楽事務所が初期段階から参加している。また、秋元康プロデュース案件を手がけるY&N Brothersや、人気クリエイター集団「すとぷり」を擁するSTPRなど、幅広い層をカバーするラインナップも特徴だ。

こうした強力なネットワークを背景に、Fanplaは音楽業界全体におけるWeb3導入の架け橋として注目を集めている。

FPLトークンの特徴

①公式マーケットプレイスで実現する安心・公正な二次流通

出典:Fanpla

Fanplaの中核をなす「Fanpla Market」では、チケットやグッズ、体験型コンテンツなどをFPLトークンで購入・販売できる。すべてのアイテムはNFTとして発行され、ブロックチェーン上で取引履歴が管理されるため、収益分配の透明化不正転売防止を可能にする。

従来のファンクラブやチケット販売では「購入して終わり」であり、外部フリマサイトなどで高額転売が横行していた。アーティストや運営側には収益が還元されず、正規ルート外での取引トラブルも少なくなかった。

一方で、Fanplaでは購入したNFTを同じマーケット内で再販できる仕組みを採用。二次流通の売上の一部がアーティストに還元されるよう設計されており、取引はすべて公式のマーケットプレイス上で完結する。これにより、ファンは安心して取引でき、アーティストも正当に利益を受け取れる、透明で健全な二次流通が実現可能になる。

②ステーキングで「推し活」と「報酬」を実現

FPLトークンのもう一つの魅力がステーキング機能だ。これは、FPLを一定期間預け入れることで特典や報酬を得られる仕組みで、目的に応じて2種類が用意されている。

出典:Fanpla

  • アーティスト・ステーキング:ファンが特定のアーティストのステーキングプールにFPLを預けることで、チケット先行販売や限定NFT、特典イベントへの招待など、特別なユーティリティを受け取ることができる。
  • Fanplaプール:ファンに限らずすべてのユーザーが参加可能で、預け入れたFPL数量と期間に応じて報酬(追加FPL)を受け取れる。いわばトークン保有者向けのリワードプログラムである。

この二層構造により、ファンは特典や体験型のリワードを、一般ユーザーは報酬としてのリターンを得られる仕組みになっている。

トークンアロケーション

IEO参加において、トークンの配分比率やロックアップスケジュールを把握することも重要だ。これらの情報は、上場後のトークン供給量や価格への影響を予測する上で参考となる。

トークンアロケーションの詳細

出典:Fanpla(※トークンべスティングについては予測値)

FPLトークンの総発行枚数は100億FPLで、以下のように配分される。

  • IEO販売分: 10.0%(10億FPL)― 個人・法人などに対して販売
  • エコシステム: 64.9%(64.9億FPL)― ファン・アーティストへの報酬、開発費・運営費等に利用
  • チーム: 7.1%(7.1億FPL)― プロジェクトチームへのインセンティブ
  • パートナー: 18.0%(18億FPL)― 初期参加アーティスト、専門家、アドバイザー等への報酬、IEO受託販売手数料

チーム保有分およびパートナー向け配分については、それぞれ24ヶ月のロックアップ期間が設けられており(パートナー配分については一部解除あり)、その後36ヶ月かけて段階的にリリース(ベスティング)される予定だ。つまり、チームとパートナー分を合わせた25.1%(25.1億FPL)の大部分は、上場後2年間は市場流通が制限される予定だ。

また、エコシステム向けの64.9%は、ファンやアーティストへの報酬プールとして段階的に放出される計画で、経済圏の拡大に応じて利用される。IEO販売分については上場時点から流通可能となるため、初期の市場流動性が確保される見込みだ。

IEOの投資リスクと今後の課題

暗号資産投資には価格変動リスクが伴い、元本が保証されるものではない。 過去のIEO実績が好調であっても、今回も同様のパフォーマンスを保証するものではない。

投資判断は各自の責任において行う必要がある。プロジェクトの内容、トークノミクス、市場環境などを十分に理解した上で参加を検討する必要がある。

なお、2025年9月の金融審議会では、国内IEOの現状を踏まえ、資金使途の不透明さやトークン供給管理の不備、公募価格割れによる投資家保護の欠如などが課題として指摘された。今後は、発行体の情報開示強化やロックアップ制度の整備、取引所による審査・監督の厳格化が求められている。

関連:金融審議会が「第3回暗号資産WG会合」開催、上場審査プロセスにも言及

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