- 含み損状態の短期保有者の取引所送金、6月以来最大
- 米政府追跡分は6日以降1万7,468BTC減少
- 注視水準は短期保有者の実現価格7.46万ドル
短期保有者の売り圧力が拡大
オンチェーン分析企業クリプトクアントは9日、ビットコイン(BTC)が高値から7%下落したとする分析をXで公表した。米政府関連ウォレットからの送金が下落のきっかけになったとしつつ、市場参加者の含み益が膨らんでいたため、もともと調整が起きやすい状態にあったと指摘している。
同社によると、短期保有者は直近24時間で4万5,600BTCを取引所に送金した。このうち2万9,100BTCは取得価格を下回る損失状態での移動だ。上昇相場に入る前の6月の保ち合い局面以来、最大の規模となる。同社は「売り圧力は明確に高まっている」と分析する。
短期保有者は、一般に保有期間が155日未満の投資家を指す。取引所への送金は売却の準備と受け止められることが多い。損失状態での送金が増えたことは、直近で買った層が損切りに動いている可能性を示す。
関連記事:ビットコイン、利益確定が年内2番目の規模に 1日約10.3億ドル=サンティメント
オンチェーン分析企業サンティメントによると、ビットコインの実現利益が1日で約10.3億ドルに達し、2026年で2番目の規模となった。8万7000ドル超えまでの上昇を受けた利益確定の集中が、短期的な売り圧力として意識される。
米政府分は6日以降1.7万BTC減少
クリプトクアントが追跡する米政府の保有分は、6日以降で1万7,468BTC(約14億4,000万ドル)減った。日別では6日が569BTC、7日が4,632BTC、8日が1万2,267BTCで、残高は17万4,481BTCとなっている。同社は政府の送金について、下落のきっかけにすぎず、相場の弱さの本質ではないとの立場を示した。
ブロックチェーン分析企業アーカムのデータによると、8日の1万2,267BTCは、2016年に起きた取引所ビットフィネックスのハッキング事件の押収資金を保有するアドレスから、新規アドレスへ移されたものだ。同社のデータでは、取引所への入金は確認されていない。
米政府の保有量は、アーカムの集計では10月8日時点で約30万7,000BTCとされる。集計対象とするアドレスの範囲が異なるため、クリプトクアントの数値とは開きがある。
関連記事:米政府が1580億円相当ビットコインを移動、取引所入金は確認されず
米政府関連のウォレットが8日、ビットフィネックスハッキング事件の押収資金から約10億ドルのビットコインを新規アドレスへ移した。取引所への入金は記録されておらず、前日にはコインベース・プライムへの入金も確認された。
短期保有者の実現価格7.46万ドル
クリプトクアントが注視する水準は、短期保有者の実現価格である約7万4,600ドルだ。実現価格は各BTCが最後に動いた時点の価格を平均したもので、短期保有者の平均取得単価に近い指標とされる。同社は、この水準を上回って推移する限り強気相場初期の構造は保たれ、割り込めば一段の調整リスクが高まるとした。
ビットコインは9日午後5時(日本時間)時点で8万2,000ドル台で推移しており、7万4,600ドルまでは約1割の下げ余地がある。



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