- 米10年債利回り5.3%超、20年以上ぶり高水準
- 仮想通貨ファンドの資金流入、今週は勢い鈍化
財政懸念と資金流入
コインシェアーズは8日のレポートで、仮想通貨ビットコイン(BTC)の上昇が継続するには、金利見通しではなく財政懸念を背景にした資金流入が必要との見方を示した。仮想通貨ファンドの資金流入は、7月中旬以降の累計111億ドルの後、今週に入り勢いを失った。
この見方の背景には、米10年債利回りが5.3%超、30年債利回りが5.7%と、いずれも20年以上ぶりの高水準に達した現状がある。
米財務省は8月、市場の流動性を支えるため、9月9日から11月4日まで発行済みの長期債を買い戻す1回あたりの上限を20億ドルから40億ドル以上へ倍増したが、9月は米国債にとって過去4年で最悪の月となり、10年債利回りは0.5ポイント超上昇した。
買い戻しの効果は限られ、ベッセント米財務長官も債券市場を制御できないと認めたうえで利回り上昇の要因として原油高を挙げており、コインシェアーズは投資家が短期の市場支援策より財政状況そのものに目を向けているとみた。
コインシェアーズは、通常は借り入れコストの増加を通じて逆風となる利回りの上昇も、財政の持続可能性への懸念を映したものであれば、ビットコインは従来型のリスク資産より政府発行マネーの代替に近い存在に見え始めると分析した。
関連記事:米投資銀行、ビットコイン年末予想を9.7万ドルから10.9万ドルに引き上げ
米投資銀行TDコーウェンは8日、ビットコインの2026年末予想を約10.9万ドルに引き上げ、2029年までに28万ドルと見込んだ。ストラテジーの目標株価は260ドルに据え置き、希薄化が株主の利益を抑えるとみている。
資金流入が鈍る背景
資金流入が鈍る中、米労働統計局が2日に発表した9月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が2万9,000人増と過去12カ月平均の4万5,000人増を下回り、失業率は4.2%に上昇した。FRBは9月16日に2023年7月以来の利上げで政策金利の誘導目標を3.75〜4.00%に引き上げたが、雇用統計を受け、10月の追加利上げの市場織り込み確率は3週間前の71%から23%に低下した。
ただ、コインシェアーズによると、購買担当者景気指数は今週も拡大を示し、個人消費や他の活動指標も雇用統計から想像されるより底堅いうえ、エネルギー価格もイランを巡る紛争が一因となって高止まりしており、市場は次の主要な政策判断を雇用よりインフレが左右するとみているという。
こうした中、コインシェアーズは、7月中旬以降の流入の多くが割安な水準での買いを反映したとみており、足元の鈍化はファンダメンタルズの悪化ではなく、雇用の弱さ、根強いインフレ、財政状況への不安という3つの相反するシグナルを巡る不確実性によるものだと分析した。その上で、債券市場が最終的に最も影響を持つ可能性があるとし、ビットコインのじり高を上昇継続に変えるのは財政懸念ヘッジからの資金流入であり、今後数週間で見るべき数字だと述べた。
CoinPost
編集部
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