- 法人顧客の資金調達需要向けに提供
- JPモルガンなど大手銀も担保サービス導入済
法改正にともない担保サービス開始
韓国の全北銀行(Jeonbuk Bank)は、同国初となる暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を担保としたウォン建て融資を開始した。これにより、法人顧客は保有する仮想通貨を事業資金調達の担保として利用できるようになる。地元メディアedailyが12日に報じた。
担保となるビットコインは専門のカストディ(保管・管理)業者が預かり、全北銀行はビットコインそのものの所有権や直接的な管理権は持たない仕組みとなっている。
韓国では、今月1日に仮想通貨の差し押さえと売却、現金化などの強制執行手続きに関する民事執行規則の改正が施行された。
関連記事:韓国最高裁、仮想通貨の民事差し押さえ手続きで規則改正案を提示
韓国の大法院は仮想通貨の差し押さえ・売却手続きなどを定める民事執行規則の改正案を立法予告した。8月まで意見公募し、10月の施行を目指している。
これにより、売却命令などを通じて仮想通貨を現金化できるようになっている。全北銀行は、債務不履行などの担保権実行の理由が発生した場合には、仮想通貨を裁判所の売却命令などを経て現金化し、その売却代金で債権を回収する構造を採用した。
また同行は、仮想通貨専用の価格評価基準を韓国の銀行業界で初めて策定している。複数のグローバル取引所の価格を加重平均した指数と、市場変動性指標の中央値を基準価格としている。
現時点ではビットコインのみを担保の対象としており、融資対象も事業運営資金を必要とする法人顧客に限定されている。ビットコインを選定した背景は、時価総額および取引高で最大の仮想通貨であり流動性が高いことなどを挙げた。
また、ビットコイン価格の大幅下落局面で、担保がどのような挙動を示すかも検証した。その結果、市場環境が逼迫した状況下でもビットコインは適切な担保になりうると評価している。
全北銀行のパク・チュンウォン頭取はデジタル資産を次世代金融インフラの核心資産と捉え、「クリプトバンク」構想を掲げている。今回の動きも、この構想の成果であり、現行の法・制度の枠組みの中で、銀行の与信業務に仮想通貨を活用するモデルを構築するものとなった。
仮想通貨を担保とした融資サービスが成長
米シリコンバレー銀行(SVB)が6月に発表したレポートによると、仮想通貨を担保とする貸付サービスは成長しており、2026年1~3月期における融資取扱高は約11兆円に達していた。前年同期比で50%近く増加していた格好だ。
関連記事:ビットコインなど仮想通貨担保の貸付市場が成長中=SVBレポート
SVBがビットコインなど仮想通貨を担保とした融資市場が拡大中だと指摘するレポートを発表。2026年1~3月期で前年比約50%増加しており、長期保有者の需要も背景の一つだと述べる。
銀行による導入事例では、JPモルガン・チェースが3月、機関投資家が同社のデジタル資産プラットフォーム「Kinexys(キネクシス)」を通じて、ビットコインやイーサリアム(ETH)を担保に米ドル建て融資を受けられるプログラムを開始した。
担保となるトークンは、フィデリティ・デジタル・アセットやコインベース・カストディなどの資産管理業者が保管。crypto.newsによると担保に対しては30%から50%のヘアカットを適用すると報じられている。例えば、10万ドル相当のビットコインを担保に差し入れた場合、融資額は5万ドルから7万ドルにとどまる可能性がある。
その他、スイスのシグナム銀行も以前より仮想通貨担保融資を提供。ロシアのスベルバンクも昨年12月、仮想通貨を担保とするローンをビットコイン・マイニング企業「AOインテリオン・データ」に試験的に発行した。
CoinPost
編集部
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