エルサルバドル大統領、イノベーションに免税する法案提出へ
技術イノベーションに対する免税法案
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は24日、ソフトウェアとハードウェアの技術革新に対するすべての税金を排除する法案を提出する予定だと述べた。
ブケレ大統領は次のようにツイートしている。
私は来週、ソフトウェアプログラミング、コーディング、アプリ、AI開発などの技術革新、およびコンピューティングと通信のハードウェア製造に対するすべての税金(所得、財産、キャピタルゲイン、輸入関税)を廃止する法案を議会に送る予定だ。
対象となる技術革新にビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)が含まれるのかなど、詳細は現在まだ明かされていない。
エルサルバドルはブケレ大統領の主導の下、2021年6月に、ビットコインを法定通貨とする法案を可決。それ以来、ビットコインを活用する様々な方針を示してきた。
エルサルバドルのビットコイン法とは
米ドルと並行する形で、ビットコインを法定通貨として認め、市民がビットコインを全ての決済シーンで利用できることを定めている。エルサルバドルのブケレ大統領が推進した法案で、2021年6月9日に議会によって可決された。ビットコインが国の法定通貨として正式に認められる初の事例となった。
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開発者トレーニングプログラム「CUBO+」
最近の事例として、ナジブ大統領のビットコインオフィスは16日、ビットコインとライトニングネットワークの開発者トレーニングプログラム「CUBO+」を発表した。
ビットコインオフィスは初回のプログラムについて「エルサルバドルの優秀なコンピューターサイエンスの学生に、ビットコイン業界の著名人から学ぶ機会を提供する」としている。Plan ₿フェローシップの奨学生を対象としたコースとなる。
初回は、最近ギャングの支配から解放されたソヤパンゴ地域に立地するドン ボスコ大学と協力して行う。なお、ブケレ大統領は、同国内のギャングを取り締まる姿勢で国民の支持を集めているところだ。2022年3月にはソヤパンゴで徹底的な捜査を行い、最終的に6万4,000人を逮捕した。
ビットコインオフィスは、今後数年間でプログラムを拡大し、エルサルバドル全土の他の大学や高校で実施すると述べている。エルサルバドルが数年以内に、「オープンソース、ピアツーピア、ビットコイン、ライトニングネットワークなどの新興企業のためのアウトソーシング ハブ」になるだろうとも続けた。
「Plan ₿」は、米テザー社とスイスのルガーノ市が共同で進めているプロジェクトだ。ビットコインの導入を促進することを目的としている。ルガーノ市では、すでにビットコインとテザー社のステーブルコインUSDTによる決済を、市内の150以上の商店で可能にしている。
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ライトニングネットワークとは
ビットコインのトランザクション処理能力を解消するため、レイヤー2を利用したオフチェーン技術のこと。ライトニングネットワークを導入すれば、混雑しがちなブロックチェーンの外で取引を行うことができ、取引の高速化や手数料削減につながる。取引の高速化や手数料削減が実現すれば、少額決済が行えるようになるため、それによって新しい商品やサービスが生み出されることも期待されている。
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IMFは批判的
エルサルバドルは1月、政府がビットコインを担保とした債権を発行できるようにするためのルールを盛り込んだ「デジタル証券法」を可決。また、ブケレ大統領は22年11月、同国財務省がビットコインを毎日1BTCずつ購入していくと宣言した。
一方で、国際通貨基金(IMF)はこうした動きに懸念を示しており、2月の報告書ではエルサルバドルは発行準備を進める「ビットコイン債」を含めて、ビットコインの採用拡大を見直すべきとしている。ビットコインが金融や財政の安定性、消費者保護にもたらすリスクを挙げた形だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します