中国大手マイニング機器メーカーEbang、米ナスダックに正式上場 仮想通貨取引所の開設も計画
Ebangがナスダックに上場
中国の大手マイニング機器メーカーEbangが26日、米ナスダックに上場した。
ナスダックでの新規株式公開(IPO)は、仮想通貨(暗号資産)マイニング企業としてはCanaan社に続き2社目。1億2500万ドル(約134億円)の資金調達を目指し、今後仮想通貨取引所やマイニングファームのローンチを計画。また金融サービスや教育、医療の分野におけるブロックチェーンのユースケースも探る。
近いうちに、マイニングファームおよびマイニングプールを設立する。
また、取引所の立ち上げも計画している。SECに承認されたナスダックへの上場は取引所事業の手助けとなり得る。
(Ebangの代表が米Cointelegraph の取材に答えた内容)Ebangは2010年に設立。Bitmain、MicroBT、Canaanと共に、マイニング機器メーカーの4大企業とも称される。マイニングマシン用の特定用途向け集積回路(ASIC)チップとファブレス集積回路(IC)を製造するハードウェア企業で、ビットコインマイニング用チップで2019年の収益の82%を上げた。
IPOに関しては、2018年6月に香港証券取引所(HKEX)で1度申請。香港の規制当局が仮想通貨関連企業の上場を許可することに消極的だったため、計画は失敗に終わった。ライバルのBitmainとCanaanもHKEXでIPOを行おうとしたが、同様に失敗。Ebangは場所を変え、今回2度目の挑戦で上場を果たした。
Ebangは1930万株を公募価格5.23ドル(約560円)で販売。初日の取引における始値は5.17ドル(約554円)で、執筆時の株価は4.95ドル(約530円)だ。
Ebangの収益はここ2年間で減少傾向にある。新型コロナウイルスの感染が再び拡大して投資家の動きが弱まったり、ビットコインの半減期で収入が減少したことなどの要因により、資金調達がどの程度まで成功するかは不透明だ。
一方で仮想通貨関連企業が資金調達の手段としてIPOを選ぶ動きは今後増える可能性がある。最近では25日、韓国の大手仮想通貨取引所Bithumb(ビッサム)が、同国内でIPOを計画していることが分かった。調達目標額などの詳細は明らかにされていない。
Ebangのライバル企業Bitmainも、昨年10月末に米証券取引委員会(SEC)にIPOの申請を行なっている。
参考:米証券取引委員会
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します