東京地裁、史上初となる仮想通貨の「没収保全命令」を下す ビットコインとネムが対象

仮想通貨に没収保全命令、日本初

2018年1月に「コインチェック」から約580億円分のXEM(ネム)が不正流出した事件に関連し、公判中の被告が不正に取得したとされる一部仮想通貨(ネム)に対して、東京地裁が没収保全命令を下した。共同通信社による捜査関係者への取材で判明した。

報道によると、被告人が国内の仮想通貨(暗号資産)交換所に預けていた、当時レートで約480万円に相当するXEMやビットコイン(BTC)が没収保全命令の対象になる。仮想通貨への裁判所命令は国内初とみられる。

没収保全とは

二十二条 裁判所は、別表若しくは第二条第二項第二号イからニまでに掲げる罪、同項第三号に規定する罪又は第九条第一項から第三項まで、第十条若しくは第十一条の罪に係る被告事件に関し、不法財産であってこの法律その他の法令の規定により没収することができるもの(以下「没収対象財産」という。)に当たると思料するに足りる相当な理由があり、かつ、これを没収するため必要があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、没収保全命令を発して、当該没収対象財産につき、この節の定めるところにより、その処分を禁止することができる。(法務省より

同事件に関連して今年3月、流出した仮想通貨を不正に取得した疑いで男2人が警視庁に逮捕されたことが報じられた。警視庁によると、逮捕者2名はダークウェブ上で流出したXEMであると知りながら、「ビットコイン」と交換するなどして不正に取得したという。

犯人は、不正取得したNEMを取引所で売り捌くリスクを避けるため、ダークウェブを使って足がつかないようにした上、当時の相場レートより15%ほどディスカウントした条件を提示して個人投資家に売却した。

なお、巨額の仮想通貨を不正流出させた、実行犯は現時点で捕まっていない。

参考:一般社団法人共同通信社

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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