暗号資産(仮想通貨)市況
18日の暗号資産(仮想通貨)市場。
ビットコイン(BTC)価格は、前日比+3.2%高の130万円(12,360ドル)に。 12,000ドルの上値抵抗線をブレイクし、さらなる急騰を見せた。
ここ数ヶ月の上昇トレンドを受け、海外トレーダーもその多くが一貫して強気姿勢を見せる。
ブライス・ギルランドが率いる暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンドであるコインシデント・キャピタルは、「12,000ドルを超えるオーバーヘッドのレジスタンスラインはほぼ存在しない。次意識されるのは、昨年の最高値である13,800ドル(149万円)だ。」と、強気の姿勢を見せた。
「The Wolf Of All Streets」の通り名で知られる著名トレーダーのスコットメルカーは、ビットコインが「強気のシーズン」に突入していると言及。Nik(@truenomic)は、「過熱感があるため少しクールダウンする必要がある」と冷静な見方を示している。
il Capo Of Crypto(@CryptoCapo_)は、アルト市場はさらに上昇すると予想。
ただし、BTCは短期的には11,000ドルまで下落すると予想しており、これに伴い、直近高騰していたイーサリアム(ETH)も470ドル(50,000円)を超える前に約360ドル(38,000円)までの大きな調整を挟むとみている。
一方で、中・長期的に低迷していたXRP(リップル)の観測はさらに強気で、現在の0.3ドル(33円)前後から130%高となる0.7ドル(74円)までの上値余地をみている。
動意づくネム
ネム(XEM)が前日比20%を超える急騰を見せ、8円台を回復した。 かつてCatapultのメインネットとして期待されていた「Symbol(XYM)」のローンチ日仮決定などが好感された。新通貨の付与などが思惑としてある。
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テクニカル的にも、価格が低迷したまま長期間もみ合いの状態が続き、上放れた陽線の「鍋底チャート」を示すほか、昨年2月の高値を上回っている。
coinlibのデータを確認すると、今回のネム上昇には日本円(JPY)での強い買いが観測された。仮想通貨取引所では、国内で板取引のできる貴重な取引所として「Zaif Exchange」が最大手取引所バイナンスに次ぐNEMの日間取引シェアを占める。
また、販売所形式のため板取引データに含まれないコインチェックなど国内取引所の出来高を含めると、XEMマーケットに占める日本市場の存在感は予想以上に高まっている可能性がある。
一方、連日のように過去最高値を更新するなど急騰の続いていたチェインリンク(LINK)は20ドルの心理的節目で反落。18.8ドルから14.5ドルまで、30分間で20%暴落。直後にリバウンドで17ドル台まで復帰するなど乱高下した。
それでもビットコインキャッシュ(BCH)やライトコイン(LTC)を上回る時価総額4位に付けていることから、いかに高騰してきたかがわかる。
6月中旬には3ドル台だったことから、わずか2ヶ月で5倍になった計算だ。
米ドルの信認低下とBTC台頭
米経済誌フォーブスの調査によれば、ビットコインの保有者は2,000万人を超えているものの、資産全体の時価総額は23.8兆円に留まる。ゴールドの時価総額は1000兆円を超えるとされており、市場規模に大きな差がある。
最大発行枚数2100万コインの有限数が決まっているため、理論上、1BTCを保有できる世界の人口のわずか0.27%にすぎない。現在、800,000ウォレットのみが1BTC以上を保有していると推定されている。
1945年以来、世界は米ドルを事実上の世界準備通貨として扱ってきたが、現在その地位は疑問視されている節もある。ユーロなどの競争激化から、中国やロシアによる米ドル依存低下のほか、新興市場でのビットコイン台頭などが不動の地位を脅かしつつある。
実際に米ドルは、過去30日間、欧州のユーロ、英ポンド、ゴールド、ビットコインに対して下落し続けている。連邦準備理事会(FRB)が、新型コロナ対策で米経済を後押しするために、過去最大規模の量的緩和策(QE4)など資本注入を続けていることが一因だ。
新型コロナの感染拡大に伴う世界経済への打撃は深刻で、米中摩擦などの懸念も強まっていることから、今後も米ドルの影響力衰退が他金融市場にどのような影響を及ぼすのか注視したい。