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ビジネスカンファレンス「WEB300 Conference」開催、トヨタ会長や楽天創業者らが登壇 AI時代の経営戦略を議論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

上場企業経営層ら300名が集結

審査・招待制のビジネスカンファレンス「WEB300 Conference」が2月2日に開催された。

上場企業の社長・CXO約150名を含む総勢300名の経営層が参加し、AI(人工知能)の活用や経営戦略などをテーマに議論が行われた。

本カンファレンスは、AIコミュニティ「WEB300」が主催。初代Google日本法人代表の村上憲郎氏が監修し、台湾の初代デジタル大臣オードリー・タン氏らが推薦するイベントとして、日本のAI活用推進を目的に企画された。

本イベントでは、豪華な登壇社が集うセッションはもちろん、参加者同士の意見交換の機会も設けられた。交流会ではAI活用の未来やそれぞれの事業について活発な議論が交わされ、業界を超えた新たなビジネス連携の可能性を探る場となった。

交流会の様子

また、会場にはスポンサー企業によるブース出展も行われ、ヒューマノイドロボット「GALBOT」が参加者に飲み物を提供する展示が関心を集めていた。

会場内に展示されていたロボット「GALBOT」

登壇者には、トヨタ自動車の豊田章男会長、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長、ソフトバンクグループ取締役の宮内氏、NTTデータグループ佐々木代表など各業界を牽引するリーダーが名を連ねた。

終盤のスペシャルトークに登壇したのは、トヨタ自動車の豊田章男会長。主催企業である株式会社AI Sword 代表取締役の大池知博氏との対談形式で行われたセッションで、豊田会長はChatGPTやGeminiを日常的に活用していることを明かした。会議の議事録をNotebookLMでラジオ風に解説させることで「理解度が広がり、共感の輪が広がる」といった社内での実践例を紹介。

「理路整然と動くことはAIに任せればいい。効率化だけを目的にするのはAIに失礼で、人間の”面倒くさい部分”——すなわち感情や直感、泥臭い現場の判断にこそ価値がある」と語り、スタートアップとの連携についても「未来を作るためにお互いの強みを活かすべき」と述べた。

左:AI Sword 大池代表|右:トヨタ自動車 豊田会長

この「AIをどう経営に活かすか」というテーマは、他のセッションでも繰り返し議論された。初代Google日本法人代表で、株式会社AI Sword共同創業者の村上憲郎氏とジーニー 代表取締役兼JAPAN AI代表取締役の工藤智明氏による対談では、日本企業のAI変革の現在地が浮き彫りになった。

工藤氏は「日本企業のAI予算は米国に比べ約3年遅れている」としつつも、今年はPoCから本格導入へ移行する企業が増加するとの見通しを示し、経営層の意思表示と現場のスキル習得の両輪が成功の鍵だと説いた。村上氏はより踏み込み、「全社員に有料版のAIツールを配布すべき」と提言。AIエージェントの進化により業務の置き換えが加速する時代を見据え、「いよいよ人類が労働から解放される時代が見え始めた」と語り、会場の注目を集めた。

左:ジーニー 工藤代表|右:AI Sword 共同創業者、初代Google Japan代表 村上氏

脳科学者の茂木健一郎氏らによる「AIの進化とこれからの未来」セッションでは、茂木氏が「1万倍速で効率化する世界と、1倍速で味わう世界が両立する時代になる。日本の勝ち筋は後者にある」との見解を示した。

「AIの進化とこれからの未来」セッションの様子

また三井物産の和歌伸介氏は「AIとブロックチェーンの掛け合わせで事業創出を進めている」と述べ、コモディティ取引において、従来トレーダーが同時に把握できる指標は20程度だったが、AIの活用により200以上の指標を分析しながら取引判断を行えるようになった事例を紹介した。

「DX最前線。AIはビジネスをどう変えるか」セッションの様子

北尾吉孝会長、金融業界のAI変革とRWAトークン化を展望

SBIホールディングスの北尾吉孝会長は「今年は既存の金融機関のあり方が変わり始める最初の年になる」と予測し、AIによる金融業界への影響について言及した。

IMF(国際通貨基金)のレポートを引用し、金融機関のAI関連支出が2027年までに倍増する見通しであることを紹介。さらに「RWA(リアルワールドアセット)のトークン化という構造変化が起きている」と指摘し、株式・債券・預金・担保など「あらゆる価値をデジタルの証票として扱える金融の記憶形質への転換が起こりつつある」と述べた。

SBIホールディングス 北尾会長

「既存の金融機関は自らの役割を再定義しなければ、その存在意義を失う局面に入った」

片山財務大臣

財務大臣はビデオメッセージで、政府のAI・デジタル・スタートアップ支援策について説明。AI半導体・国際産業基盤強化フレームによる10兆円以上の公的支援により、50兆円を超える官民投資を促進し、約160兆円の経済波及効果を目指すことを明らかにした。

デジタル金融については「本年はデジタル元年になる」と改めて宣言。日本が世界で最も早くステーブルコインの制度整備を進めた国の一つであることに言及し、2025年10月に国内初の円建てステーブルコインが発行されたこと、メガバンクによるステーブルコイン共同発行の実証実験が進行中であることを紹介した。

金融庁が立ち上げた「決済高度化プロジェクト」(通称PIC)により、事業者への法令解釈面でのサポートを強化し、前向きな取り組みを後押しする方針も示した。一方、暗号資産のハッキング事案を踏まえ、「セキュリティの担保」が重要課題であるとし、業界との連携強化を表明した。

片山大臣

「ステーブルコインなどのデジタル資産が広く利用者に受け入れられていくためには、安心安全な取引環境が必要だ」

関連:片山金融相インタビュー「暗号資産20%分離課税」2028年施行へ、ステーブルコインで日米協力

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