日本政府に対し追加給付金の要望書提出、景気刺激策が相場に与える影響
仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)
日本政府に提出された定額給付金の追加支給案がTwitterトレンド入りするなど反響を呼んでいる。
新型コロナの経済対策として、自民党有志グループ(経世済民政策研究会)が国民への「一律5万円」の追加給付案や「GoToキャンペーン」の延長・拡充を盛り込んだ、40兆円規模の追加経済対策などを求める要望書を菅政権に提出。これに対し、菅首相が三次補正案に前向きな姿勢を示したというものだが、現時点では追加給付金が実現するかどうかは定かではない。
細野豪志議員によれば、「正確には5万円は二次補正の予備費からの給付。三次補正も合わせると計15万円の給付を提案した」とされ、仮に同要望が実現した場合、まずは一律5万円が支給されることになるものと思われる。
追記: 10/15 15:00
細野豪志議員は10/15 14:54、原案にあった「計15万円」とした三次補正予算を合わせた定額給付金の金額は、総理への提案には入っていなかったとして、Twitter上で最終提案について訂正した。
市況への影響
追加給付金が実現すれば、大半は貯蓄か当面の生活資金に充てられるものと考えられるが、余剰金の一部は金融マーケットに流れ込むことも予想される。安倍政権時に実施された国民1人当たり一律10万円の「特別定額給付金」について、家計簿アプリ「マネーフォワード」が利用者にアンケートしたところ、13%が「投資資金」と回答した。
三菱総合研究所の調査によると、前回の「特別定額給付金」の経済効果は3.5兆円程度で、日本のGDPを0.7%ポイント程度押し上げた。給付金の6割程度が貯蓄に回り、3割程度が消費に回ったとされる。
米国でも、米財務省が3月下旬に1回目の景気刺激策を実施した際には、米コインベースやバイナンスなどの大手仮想通貨取引所で、給付額と同じ「1200ドル」の入金急増が観測された。日米以外でも、各国の景気刺激策(給付金)の一部は株式市場や仮想通貨市場に流入し、相場の乱高下をもたらしたとされる。
なお、今回の第三次補正案の要望書提出を受け、「特別定額給付金」に関する詐欺メール案件が出回っており、総務省が警鐘を鳴らしている。
ビットコイン動向
15日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比0.68%安の119.8万円(ドル)とやや反落した。
XRPは、前日比3.57%安。Ripple社主催のSwellに向けた急騰がなかったことから例年ほどの急落の反動はみられないものの、材料出尽くし感から売り優勢となった。
BTCの展望について、Josh Olszewicz(@CarpeNoctom)は、一目均衡表の転換線とトレンドの基準を示す基準線の好転を示唆。
一方CryptoHamster(@CryptoHamsterIO)は、TDシーケンシャルで売りシグナルの「Green 9」と、弱気のダイバージェンスがみられたことを指摘。短期的に調整が入る可能性が高いとした。
TDシーケンシャルは、米国の著名アナリスト「トム・デーマク」が開発したインジケーターの1つで、トレンドサイクルの転換点を掴むためのものだ。海外トレーダーCryptoISO(@crypto_iso)は、4時間足のインジケーターとして、シグナル「9」は信頼性が高いと評価している。
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