仮想通貨業界の発展と健全化|交換業者が2社登録申請取り下げ
- Mr. Exchangeと東京ゲートウェイが登録申請取り下げ
- これにより、登録申請を取り下げたみなし事業者は5社へと増えました。
- 仮想通貨業界の発展と健全化
- こういった規制は業界の健全化や信頼性の増加につながりますが、一方で業界全体の注目度が低迷し続けると、現状の仮想通貨業界に多い、技術開発を行うベンチャー企業などへ流れる資金量及び人材流入も減少し、日本国内での仮想通貨およびブロックチェーン技術の研究が遅れる、といった事態にもなりかねません。
Mr. Exchangeと東京ゲートウェイが登録申請取り下げ
登録申請を取り下げた仮想通貨交換業者が更に2社増えることになりました。
その2社であるMr. Exchangeと東京ゲートウェイは、セキュリティー体制の不備が金融庁により指摘され、登録取り下げとなったようです。
これにより、登録申請を取り下げたみなし事業者は5社へと増えました。
サービス停止した取引所はいずれも預かっている仮想通貨や現金の出金手続きを行っています。
登録交換業者名 | 補足 |
---|---|
ビットステーション | 100%株主であった経営企画部長が、利用者から預かった仮想通貨(ビットコイン)を私的に流用し業務停止命令、その後3月8日に登録申請取り下げ |
ビットエクスプレス | 3月8日に登録申請取り下げ |
来夢 | 3月8日に登録申請取り下げ |
Mr. Exchange | 3月29日に登録申請取り下げ |
東京ゲートウェイ | 3月29日に登録申請取り下げ |
サービス停止する取引所が続々と増加
コインチェックのハッキング事件があって以来、みなし事業者全てへの立ち入り検査、また登録済みの取引所に対しても立入検査後に業務改善命令を行なったりと(GMOコインとZaif)、金融庁の目は非常に厳しいものとなりました。
それにより、業務停止命令を出された企業も2社(FSHOとビットステーション)存在し、今回ビットステーションが登録申請取り下げとなりました。
今後もおそらく登録申請を取り下げる取引所、もしくは行政命令を出される企業が増えていくでしょう。
また、無登録取引所への規制も厳しいものとなり、世界最大手仮想通貨取引所のBinanceに対し、金融庁は警告を発しました。
無登録の海外取引所が、口座開設時に身分証明を行わず日本人の取引を許可することを問題視しているようです。
金融庁は強制力のある指示を出せるのかどうかは不明ですが、海外の規制当局などと連携することで、海外取引所に対しての対応がより一層厳しくなっていくことも考えられます。
大手企業参入の障壁となるか
金融庁の取り締まり強化により、仮想通貨交換業への参入は去年前半以前の段階に比べて、確実に厳しいものとなっています。
大手企業では、サイバーエージェント、メルカリ、LINEなども金融庁の登録を目指す旨を発表しており、最近ではヤフーも仮想通貨交換業に参入する可能性が指摘されました。
会社名 | 発表日 | 概要 |
---|---|---|
サイバーエージェントビットコイン | 2017/10/02 | CAグループ |
コインタップ | 2017/10/27 | DMMグループ「ネクストカレンシー」 |
メルペイ | 2018/01/10 | 有名フリマアプリ「メルカリ」の100%子会社 |
OKWAVE | 2018/01/11 | ICOも検討 |
マーキュリー | 2018/01/29 | 上場企業セレスの100%子会社 |
LINE Financial | 2018/01/31 | 資本金50億円 |
これらの企業の参入障壁も高いものとなっており、以前に比べると取引所開設準備にコスト、時間がかかるようになっています。
金融庁の規制は業界の健全化と信頼性の増加、投資家の保護と言った観点から言えば、決してマイナス影響だけとは言えません。
しかし一方で、こういった企業の仮想通貨業界への参入が厳しくなることで、業界全体の注目度が低迷し続けると、現状の仮想通貨業界に多い、技術開発を行うベンチャー企業などへ流れる資金量及び人材流入も減少し、日本国内での仮想通貨およびブロックチェーン技術の研究が遅れる、といった事態にもなりかねません。
押さえつけるだけではなく、業界の発展と健全化のバランスをとり、両立する方向に修正していくことが重要なのではないでしょうか。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します