リップル社CEO、中央銀行がデジタル通貨発行にXRPレジャーを検討と発言
リップル社CEOインタビュー:The Block
中央銀行がステーブルコインの発行にXRPレジャーの使用を検討しているとの発言を、米リップル社CEOが行なったことが明らかになった。
暗号資産(仮想通貨)メディアThe Blockのインタビューに応じた、Brad Garlinghouse氏は次のように述べている。
「中央銀行がステーブルコイン(デジタル通貨)発行のためのオープンソース技術として、XRPレジャーに注目していることは、確かに承知している。そうなるかもしれないが、率直に言うと、XRPレジャーはオープンソースの技術なので、必ずしも我々が関与する必要はない。しかし、いくつかの銀行と対話を行い、XRPレジャーを活用する専門家として、助けになるよう努めている。これは、XRPコミュニティの動態全体にとっては良いことだと考えている。」
ステーブルコインはXRPの代わりになるか
上記の発言は、リップル社がステーブルコインを発行する可能性があるかについての質問に答えたものだ。一方、リップル社がステーブルコインを発行するか否かについての言及はなかった。
また、仮想通貨市場の大きな一角を占めるようになったステーブルコインが、XRPベースの新たな決済ソリューション(On-Demand Liquidity)にとって代わる可能性については、はっきりと否定し、次のようなXRPの特性を改めて強調した。
- ステーブルコインは法定通貨に紐づいたものであり、異なる通貨のステーブルコイン間での為替問題は継続する
- XRPは「ブリッジ資産」であり、様々な法定通貨ペアに柔軟に対応し、流動性を提供する役割を果たす
- XRPは安価で効率的、かつスケーラブルであり、国際送金の問題を解決する
米国の規制の不透明性が障害に
Garlinghouse氏は、インタビューを通して、米国における仮想通貨に対する規制整備が進まないことに苦言を呈した。米証券取引委員会(SEC)はビットコインとイーサリアムについては、証券ではないと明言した一方で、「XRPが証券にあたるか」についての定義は、未だに曖昧だ。
このような規制の不透明性が、特にビットコインに有利な投資環境を生み出し、XRPのような他の暗号資産プラットフォームが犠牲になっていると主張。さらに、このような不確実な規制環境下では、リップル社は「片手を後ろで縛られて戦っている」のに等しく、同社の成長が阻害されているとした。
そして、より明確な規制環境を提供している国として、イギリスとスイス、シンガポール、日本、そして、同社が地域統括会社として新拠点を設立したドバイが属するアラブ首長国連邦(UAE)を例にあげた。
中国の戦略とビットコインに対する懸念
また、米国政府の仮想通貨規制へのアプローチと対照的に、中国政府は、暗号資産を取り巻く状況を注意深く観察する点において非常に戦略的だと、Garlinghouse氏は述べた。
同時に、ビットコインのマイニング事業において、中国に拠点をおくマイニングプールが60〜70%を占めている現状は、大きなリスクだと指摘。同氏は、自身はビットコインの信奉者であり、その発展を願っているが、中国政府がビットコインに影響を及ぼす可能性がある状況は、長期的に見ると、ビットコインの成功には好ましいものではないと懸念を表明した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します