
XRPL上のイノベーションを促進
リップル社は3日、フィンテック投資企業Tenityと提携し、XRPレジャー(XRPL)を基盤とする起業家を支援するための新たな育成プログラムをシンガポールで行うと発表した。
2025年9月に開始され、開催は年2回となる予定だ。スタートアップ企業や、その他の企業のイノベーションチームを、次世代ブロックチェーンソリューションの開発で支援する。
現実資産(RWA)トークン化、機関投資家向けDeFi(分散型金融)、AI(人工知能)とブロックチェーンの融合に焦点を当てた12週間のプログラムになる。
参加者には最大20万ドル(約2,900万円)の非株式資金、業界をリードする専門家によるメンタリング、リップル社の投資家とパートナーからなるエコシステムへのアクセスを提供する計画だ。
プログラムは、オンラインのワークショップとシンガポールでの2週間の現地研修のハイブリッドで構成される。最後には、スタートアップ企業が投資家やリップル社のパートナーにプレゼンテーションを行う。
参加者は、製品戦略、トークン設計、市場投入計画など、さまざまな分野で実践的なサポートを受けることができる。
Tenityはスイスに本社を置き、シンガポールやスペインその他に拠点を構えている。金融業界のスタートアップを対象とした投資や育成プログラムを行っている企業だ。
XRP Ledger(XRP台帳)とは
リップル社が提案しグローバルなコミュニティが主導するブロックチェーンを基盤としたデジタル資産プラットフォーム。送金だけでなく、分散型取引所(DEX)などにも使用できる。XRP Ledgerのネイティブ暗号資産(仮想通貨)がXRP。
シンガポール政府関連機関シンガポール・デジタルインダストリーのエグゼクティブディレクターであるフィルバート・ゴメス氏は、次のようにコメントした。
このような育成プログラムは、スタートアップ企業やイノベーターに適切なスタートを切る機会を提供する。
また、規制基準を遵守し、効率性と経済価値を生み出す現実世界のブロックチェーンソリューションを開発するためのツール、ネットワーク、専門知識へのアクセスを提供する。
リップル社のアジア太平洋地域マネージングディレクター、フィオナ・マレー氏は、このプログラムが「シンガポールをブロックチェーン人材の中心地として確かな場所にするだろう」と述べた。
リップル社は、シンガポールのブロックチェーン業界が2024年に約7億5,000万ドル(約1,080億円)の投資を集めたと指摘している。これは、同国内のフィンテック投資総額の約60%を占めていた。
また、シンガポールには300社以上の仮想通貨・ブロックチェーン企業が拠点を置いており、世界的な中心地として台頭しているとも述べた。
関連して6月30日には、XRP台帳(XRPL)のイーサリアム(ETH)仮想マシン(EVM)互換サイドチェーンがメインネットでローンチしたところだ。XRPLがイーサリアムベースの分散型アプリケーション(DApps)やスマートコントラクトを実行できるようになった。
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