仮想通貨企業の事業継続に猶予──英規制当局FCA、登録期限を延長
条件付きで登録期限を延長
英金融行為規制機構(FCA)は16日、暗号資産(仮想通貨)企業に対する当局への登録完了期限を条件付きで延長することを発表した。
既存の企業は2021年1月10日までに登録手続きを完了しないと、それ以降は事業を停止する必要があったが、12月16日までに登録の申請を行なっている企業に限って、事業を2021年7月9日まで継続できるようにする。
英国ではFCAが2020年1月10日から、取引所やカストディ企業といった仮想通貨関連事業者のマネーロンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CTF)の監督機関になった。
その際、それ以前から事業を行なっている仮想通貨企業は2021年1月10日までにFCAへの登録を済ませ、それ以降に事業を開始する企業は事前にFCAへの登録が必要になると発表していた。
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FCAは今回期限を延長した理由について、登録手続きが複雑である上、新型コロナ感染拡大の影響で、FCAが計画通りに企業を訪問することができなくなっていると説明している。
登録が必要にも関わらず、2020年12月15日までに申請書を提出しなかった企業は、今回発表された措置の対象にはならない。取引所らには2021年1月10日までに事業を停止し、顧客に資産を返却するよう求めた。この決まりに従わない企業は罰則が適用される。
FCAには顧客の資産を守る権限はないとし、一般ユーザーにも利用する仮想通貨企業が期限までにFCAに適切に登録手続きを行なっているか確認するよう呼びかけた。登録が必要なのにまだ手続きが完了しておらず、今回の措置の対象になっていない場合は、来年1月10日までに法定通貨や資産を引き出すよう求めている。
現在の登録状況
FCAのホームページによると、現在登録が完了しているのは以下の4社だけだ。
- Gemini Europe Services Ltd
- Gemini Europe Ltd
- Ziglu Limited
- Archax Ltd
CoinPostが提携する仮想通貨メディアTheBlockによると、FCAは180超の企業から申請を受け付けており、今月最初の時点では150社以上が登録完了を待っていた。FCAが公開している情報では、現時点で登録待ちの企業が約90社となっていることから、60社が申請を取り下げたか、未認可となっている。
現在はFidelity Digital AssetsやGalaxy Digital UK、Bitstamp、B2C2らが16日までに申請を済ませ、登録が完了するのを待っている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します