仮想通貨関連事業者にAML/CTF法の準拠 英金融当局、6月末までの登録を促す

FCAが事業者申請登録を促す

イギリス(UK)の金融行動規制機構(FCA)は、22日、同国において仮想通貨関連活動に従事する全ての事業者に対し、マネーロンダリング・テロ資金供与対策法準拠のため、今月末までに当局への登録申請を完了するよう注意を喚起した。2021年1月10日が登録の最終期限となっているが、申請審査が期限内に処理されるため、既存の事業者向けに対し、優先審査の受付期限が6月30日に設定されている。

FCAが仮想通貨のAML・CTF監督機関

今年1月10日、FCAが仮想通貨関連事業者に対するマネーロンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CTF)の監督機関となった。これは、欧州連合(EU)の第5次マネーロンダリング指令(5AMLD)をイギリス国内法に反映させたMLRs法を受けたもので、仮想通貨事業者は、規制準拠の一環としてFCAへの登録が義務付けられた。 

規制の対象となる仮想通貨関連事業には、次のような事業形態が含まれる。

  • 仮想通貨取引の提供者:法定通貨と仮想通貨間の取引、仮想通貨同士の取引

  • 仮想通貨ATM

  • 仮想通貨ウォレットの提供者:仮想通貨のカストディサービスおよび秘密鍵管理サービス提供者

  • P2P取引提供者:法定通貨と仮想通貨間また仮想通貨同士の取引を促進するオンライン市場の提供者

  • ICOやIEOなどの新しい暗号資産の発行者

2020年1月10日以前から仮想通貨関連事業に従事している事業者は、2021年1月10日の期限までに登録しなくてはならないが、遵守しなかった場合、事業停止処分という厳しい措置が取られる。一方、1月10日以降は、仮想通貨事業を始めるにあたり、FCAへの事前登録が必要となる。

なお、電子マネーや金融サービス、また決済サービス等に関する金融規制に基づいて認可を受けている事業者であっても、MLRs法の対象となる仮想通貨関連活動を行う場合には、改めてFCAへの登録申請が必要になるという。

MLRs法の遵守

FCAによると、規制対象となる事業者は2020年1月10日からMLRs法を遵守する必要があり、登録申請の有無にかかわらず、同日から積極的な監督活動を開始し、事業者が基準に満たない場合には、迅速な措置を講ずると警告している。

FCAは次のような点を規制要件として示している。

  • マネーロンダリング及びテロ資金供与(ML/TF)リスクの特定および評価のための適切な措置を講じること

  • ML/TFに対するビジネスリスクを軽減するための指針やシステム、および管理体制の整備

  • 事業の規模と性質に応じ、取締役会または上級管理職の役員をMLRsのコンプライアンス責任者として任命、任命された者は不審な活動を国家犯罪対策庁(NCA)に報告

  • 事業の規模と性質に応じ、内部監査機能の設置と従業員の適正審査を実施

  • 取引開始時または不定期に、顧客のデューデリジェンスを実施

  • より高いML/TFリスクの可能性がある顧客を扱う場合、強化されたデューデリジェンスを適用 (政治的、公的地位につく人物の定義を満たす顧客など)

  • 全顧客の継続的なモニタリングを実施し、取引内容が顧客とその事業、リスクプロファイルと一致していることを確認

FCAが持つ強い権限

MLRs法では、仮想通貨関連活動に対する、強固なAML/CTF監督体制を維持するために、FCAは、事業者への指示や、情報開示、報告要件などについて追加の監督権限が与えられている。

また、同法の下、事業者に対する規制の執行権限も付与されており、金融活動作業部会(FATF)のガイダンスを踏襲したAML/CTFにより、仮想通貨事業者は厳しい管理下に置かれることになりそうだ。

出典:FCA


画像はShutterstockのライセンス許諾により使用