英警察が押収した仮想通貨の保管に、野村HDら設立のKomainu採用
捜査で押収した仮想通貨を保管するソリューション
英国の警察が、捜査で押収した暗号資産(仮想通貨)の保管に「Komainu(コマイヌ)」が提供するソリューションを使用することが分かった。
Komainuは、英仮想通貨投資企業CoinSharesと日本の野村ホールディングス、および仮想通貨ウォレット企業Ledgerが共同で設立したカストディアン。
今回、Komainuは英国警察のサイバー犯罪プログラムを代表するダービーシャー警察署とサービス契約を締結。捜査過程で押収した仮想通貨を安全に保管できるよう、高度なカストディおよびセキュリティソリューションを提供するという。
契約入札プロセスの完了後、Komainuの保管ソリューションを、イングランドとウェールズのすべての警察、北アイルランドの警察、スコットランドの警察、英国鉄道警察、その他すべての法執行機関が利用できるようになるという。
英国警察は契約について、「サイバー犯罪チームが犯罪者を追跡・起訴し、犯罪から収益を得させないようにすることを助ける上で、重要な前進だ」と語った。
Komainuの共同創設者兼CEOのJean-Marie Mognetti氏は、「違法な目的で仮想通貨の匿名性を利用する犯罪者に対する捜査」をサポートできて光栄だとして次のように語った。
Komainuは、安全な仮想通貨カストディを提供すると同時に、CoinSharesのサービスを利用して、必要に応じて差し押さえられた資産の流動性を確保し、Gentiumによる運用ガイダンスを提供する。
また「近い将来に他の政府機関が同じレベルのサービスを必要とすることを確信している」とも付け加えた。
Gentiumとは英国で金融・サイバー犯罪を専門として法執行機関に助言するコンサルタント企業である。今回の調達契約はCoinSharesとGentiumが支援して行われた。
ハイブリッド・カストディ「Komainu」
Komainuは単一のソリューションにより、複数資産のサポート、規制コンプライアンス、保険を可能にするハイブリッド・カストディである。2020年6月に始動、8月にCoinSharesがトレード部門として立ち上げた「CoinShares Capital Markets(CSCM)」にKomainuのカストディサービスを採用し、実運用開始となった。
スイスの証券取引所SIXが今月立ち上げたビットコインETP(上場取引型金融商品)でも、Komainuがカストディを担当する。
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Chainalysisも類似サービス提供
政府当局が犯罪捜査で押収した仮想通貨の保管を行うサービスは、米国のブロックチェーン分析企業Chainalysisも2020年11月より新たに開始した。
同社は捜査用の仮想通貨分析ツールも提供しており、「Chainalysisはブロックチェーン上の違法行為の調査や探知に携わってきた。我々のパートナーの一部である政府機関が犯罪者から仮想通貨を押収する事例が多くなったため、管理サービスを提供することは必然となる」と説明していた。
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当局が押収した仮想通貨をオークションなどで売却する事例もみられる。2020年11月には、欧州リトアニアの国税局が、約8億円に相当する仮想通貨を売却処分、銘柄はビットコイン、イーサリアム、モネロだった。
またフィンランドの財務省管轄の税関(Tulli)も、押収したビットコイン1,981BTC分(現在約67億円相当)の売却を計画している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します