インド政府、仮想通貨を「禁止?規制?」 法案審議控える

「イノベーションは公平に評価する必要」財務省高官

インド財務省のAnurag Thakur副大臣が、暗号資産(仮想通貨)を含むイノベーションを公平に評価する必要があると述べた。

また、財務大臣も先週末にも、仮想通貨の可能性を探る必要性に言及。インドが仮想通貨に前向きな政策を検討する可能性も浮上してきた格好だ。

インドでは、仮想通貨を禁止する法案がまもなく議会で審議される予定だと報道されており、関連業界やサイバー法専門家などから反対の声が挙がっていたところである。

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副大臣によれば、仮想通貨に関する高レベルの省庁間委員会(IMC)が報告した勧告に基づいて、政府は決定を下し必要であれば、適正な手続きの後に立法案を議会に提出するという。

また副大臣は「仮想通貨に関心が集まっていることは理解しているが、国家や国民のセキュリティにも目を向ける必要がある」とコメント。

同時に、イノベーションは公平に評価していかなければならないとして次のように語った。

私たちはイノベーションと新しいテクノロジーを歓迎する。ブロックチェーンは新しいテクノロジーだ。私たちはいつも新しいアイデアをオープンマインドに評価し、調査し、奨励していく必要があると考えている。

こうした発言を、インドの大手仮想通貨取引所WazirXのNischal Shetty CEOは前向きに受け止めた。

仮想通貨規制についてオープンに話してくれて感謝する。インドの仮想通貨産業について規制を整備してほしい。省庁間委員会は理論的な知識を持っているが、私たち(業界関係者)は実践的な知識を持つ。両方の知識を持ち寄って、インドでイノベーションを促進しよう。

Nischal Shetty氏は、以前より仮想通貨の禁止ではなく規制を訴えている人物の一人だ。

今回、副大臣は省庁間委員会の具体的な勧告内容については明かしていない。

「仮想通貨の実験に窓口を開いておきたい」

インドのNirmala Sitharaman財務大臣は、3月5日に公開されたCNBCのインタビューで、仮想通貨について検討の余地があることを示唆した。

大臣によれば、現在インド準備銀行(RBI)と共に、仮想通貨について議論を行っているところで、仮想通貨をどのように規制するかについても話す見込みだという。

「仮想通貨の世界で必要となる様々な実験について、窓口を開いておくようにしたい。仮想通貨のすべてを否定するのではなく、入念に調整した姿勢を取りたい」とも大臣は語った。

また「世界が急速に、テクノロジーと共に動いている状況がある。私たちはそれ(テクノロジーによる進化)を望まないふりをすることはできない」とも続けている。

インドはこれまでも、仮想通貨についての方針が一転二転してきたため、先行きは不確かである。だが財務省の大臣と副大臣の発言は、仮想通貨を全面的に禁止するのではなく、何らかの形で規制していく可能性もまだ残されていることを窺わせるものだ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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