はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

インド準備銀行、デジタル通貨(CBDC)の利点とリスクを考察

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「必要な時にCBDCを運用できる準備を」

インド準備銀行が「貨幣と金融に関する報告書」を発表。長大なレポートの中で様々な金融政策を評価しており、その中で中央銀行デジタル通貨(CBDC)についても取り上げた。

「金融政策の運用手続き」と題された章の中で、CBDCを必要な時に運用できるよう準備しておく必要があるとして、次のように結論付けている。

CBDCが導入されれば、決済に大きな変革をもたらし、政策の伝達を迅速化することができる。このことは、現金の使用が減少していることを考えると、より重要な意味を持つ可能性がある。インド準備銀行は世界の動向を注視してCBDCの導入の必要性を探り、必要に応じてCBDCを運用できる準備をしておくことが不可欠だ。

各国でCBDCを検討する気運が高まる中、インドも遅れを取らないようにデジタル通貨導入の可能性を探っていく姿勢を見せた格好だ。

中央銀行デジタル通貨の利点

インド準備銀行は、CBDCについて様々な利点を挙げている。

まず、設計によっては以下のようなことが可能になるという。

  • 非・匿名性を促進し、取引を監視。
  • 市民に国から直接資金を給付できるようにして金融包摂を促進。
  • 中央銀行の「ヘリコプター・マネー」を市民に送り込むなどして、総需要と社会福祉を向上させる。

ヘリコプター・マネーとは通常、中央銀行が国債を買い入れるなどして大量の貨幣を市中に供給する経済政策を指す。

また有利子のCBDCにより、政策金利の変化に経済が素早く反応するようにできるという。商業銀行などの機関だけでなく、個人にも配布できるよう設計されていれば、より政策の伝達を直接的にすることが可能だ。

金融システムに与える弊害

一方でCBDCには幾つかの弊害も考えられる。特に商業銀行システムが脆弱な場合には、銀行システムの金融仲介機能を弱めるリスクが存在。商業銀行が金融政策を伝達する役割は低下する可能性がある。

報告書は、銀行預金よりもCBDCに付く利子の方が高い場合、顧客離れを防ごうとして商業銀行が預金利子を引き上げざるを得ない可能性があることも示唆した。

こうした事態を防ぐものとして、個人が保有するCBDCは無利息のままとしつつ上限を設け、この上限を超えるCBDC残高について罰則的なマイナス金利を課す方法も提案されている。

さらに匿名性を提供するCBDCは、違法な国際決済にも使われる可能性があり、反資金洗浄・テロ資金調達対策(AML/CFT)などの適切な規制を設定する必要があるという。

仮想通貨禁止法案を審議の見込み

インド準備銀行総裁が、「将来CBDCをローンチすることを目指している」と発言するなど、インドはCBDCの検討には前向きだ。

しかし、ビットコイン(BTC)など民間の暗号資産(仮想通貨)については、禁止法案の審議が間もなく行われると報道されている。「禁止すればインドが金融イノベーションに参加することが妨げられる」など、各方面から批判の声が挙がっているが、先行きは不透明だ。

関連インド準備銀行総裁、仮想通貨とデジタル通貨について意見を表明

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/12 水曜日
13:45
「仮想通貨は正当なポートフォリオ分散手段」 機関投資家のアプローチに大きな変化=シグナム
スイスのデジタル資産銀行シグナムが発表した最新調査で、回答した世界の機関投資家の89%が仮想通貨をすでに保有し、仮想通貨を投機ではなくポートフォリオの有効な分散投資手段とみなしていることが明らかになった。
13:00
米上場ターボ・エナジー、ステラ・タウラスと提携 スペインで再エネ融資をトークン化
ナスダック上場のターボ・エナジーがタウラス、ステラと提携し、スペインでクリーンエネルギー融資のトークン化実証実験を開始。ブロックチェーン活用で744億ドル規模のEaaS市場参入を目指す。
12:45
JPモルガンとDBS、トークン化預金の相互運用で取り組み
JPモルガンとDBS銀行がトークン化預金の相互運用性フレームワーク開発に取り組んでいると発表した。KinexysとDBSトークンサービス間でリアルタイム決済の実現を目指す。
12:37
Bitcoin JapanのCEO、ビットコイン準備金基盤のAIインフラ投資計画など明かす 
エネルギー軸でビットコインとAIを融合 Bitcoin Japan株式会社(旧堀田丸正)は11日、臨時株主総会で商号変更を完了し、ビットコイン財務戦略の詳細を発表した。 関連:…
11:40
ソフトバンクG、エヌビディア株を9000億円で全売却、オープンAI投資へシフト
日本のソフトバンクグループが保有のエヌビディア株を全売却し、オープンAIへの最大400億ドル投資に充てる。ビジョンファンドは234億ドルの投資利益を計上し、純利益は前年比2倍以上となった。
11:15
XRP現物ETF、今週中に米国で上場見込みか 最終書類提出=専門家
カナリー・キャピタルがXRP現物ETFのナスダック上場に向けた8-Aフォームを提出した。専門家は明日か木曜日のローンチを示唆しており、米国で2つ目のXRP追跡ETFとなる見込みだ。
10:35
ビットコイン量子コンピュータ対策で議論白熱に、アドレス移行提案の是非めぐり
仮想通貨ビットコインの量子コンピュータ対策として、Taprootアドレスからの移行が提案され議論が起こった。量子耐性の獲得方法で専門家の見解が分かれている。
10:25
7年ぶりの米国ICO「モナド」、トークンセール開示文書を公開 評価額3800億円弱
モナド財団が11日、MONトークンのコインベース公開販売に関する開示文書を発表。FDV約3,750億円、最大75億トークンを販売。大口集中を防ぐ「ボトムアップ方式」を採用し、11月17日から販売開始。
10:10
ソラナ現物ETF、取引開始から10日間連続で資金が純流入
仮想通貨ソラナの現物ETFは10日時点で、取引開始から10日間連続で資金が純流入。この状況について、事前の予想を上回っているとの見方が上がった。
08:05
スタンダードチャータード、シンガポールでステーブルコイン決済カード「デカード」を支援
スタンダードチャータードがDCSカードセンターと提携し、ステーブルコインを実店舗で使用できるクレジットカード「デカード」の主要銀行パートナーとなった。
07:35
プライズピックス、ポリマーケットと提携 米国で予測市場参入
プライズピックスが世界最大の予測市場プラットフォームのポリマーケットと複数年提携を締結した。連邦規制下でスポーツやエンターテインメントに関する予測市場契約を提供し、米国での事業拡大を目指す。
07:02
メタプラネット、株主数が日本の人口の約0.2%相当まで増加
仮想通貨ビットコイン財務企業メタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチ代表取締役社長は、同社の株主数が日本の人口の約0.2%相当にまで増加したと報告。過去数カ月で日本の株主数は66%増加したとも説明した。
06:30
TDコーウェン、ビットコイン年末価格を14万ドルと予想 ストラテジーのBTC追加購入数も試算
TDコーウェンがストラテジーの新規ユーロ建て優先株発行により6720ビットコインが追加されると予測した。ビットコインの年末ベースケース価格は14万1277ドルに据え置かれ、強気シナリオでは16万ドルを想定。
06:05
ブラジル中銀、仮想通貨と国際資本取引の新ルール導入
ブラジル中央銀行が仮想通貨取引および国際資本取引に関する包括的な規制を発表。サービス提供企業への許可制度や報告義務を設け、資本移動の透明化および安全性を強化する。
05:35
中国がアメリカによる20兆円ビットコイン窃取を主張、ルビアンハッキング事件で
中国国家計算機ウイルス緊急対応センターが、2020年のルビアンマイニングプールから127,272ビットコインが盗まれた事件について、米国政府による国家級ハッキング作戦だとする報告書を公表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧