仮想通貨チリーズ(CHZ)が前週比一時+380%、米オフィス設立発表を受け
仮想通貨チリーズ、米NY拠点の設立報道で急騰
プロスポーツのファントークンを提供する暗号資産(仮想通貨)チリーズ(CHZ)が時価総額10億ドル(約1,090億円)を突破した。米ニューヨークで新たなオフィス設立発表と同時に、米国での市場拡大を示唆したことなどが材料視された。(今後NFTの提供を目指すことも)
仮想通貨チリーズ(CHZ)はブロックチェーン企業Chilizが手掛けるユーティリティトークンだ。これまではバルセロナなど欧州のプロサッカーチームのファントークンを発行してきたが、今月2日にはChiliz社のAlexandre Dreyfus CEOがロイターに対して、総額5,000万ドル(約55億円)の資金を投じて、米ニューヨークに新たなオフィスを設立すると発言。
ニューヨークに拠点を置くスポーツチームと連携する意向を表明し、「米国の5大スポーツリーグのチームのファントークン」の発行を目指す姿勢を明らかにした。またDreyfus氏は「2020年には3,000万ドル(約33億円)の収益を上げたが、今年は最低でも(2倍の)6,000万ドル(約65億円)の収益を目指す」と言及。
米国の5大スポーツはNBA、NFL、MLB、NHLとMLSを指す。これまではバスケ、アメフト、野球とホッケーがアメリカの「Big Four」と呼ばれてきたが、近年はMLS(サッカー)も台頭してきた。
NBAやMLBの一部のチームでは既に、NFTやファントークンを提供する動きが見られるが、欧州でも名門チームと提携してきた経歴が活かされるか、注目が集まる。
また米国の5大スポーツの他にも、F1やeスポーツチームとの連携も視野に入れる方針を表明した。
Chiliz社CEOの発言後、仮想通貨CHZは急騰。前日比80%高、前週比+380%を記録した。
現物価格の上昇に伴い、チリーズの時価総額は初めて10億ドル(約1,100億円)を突破。執筆時点で13億ドル(約1,500億円)台に達している。
NFTブームの兆候も
仮想通貨チリーズが注目される大きな要因として、NFTの需要増も挙げられる。GoogleTrendによれば、「NFT」の検索数は2月上旬頃から急増。現在の検索数は過去最高水準に達している。
関連ワードでは「アート」とNFTを検索するユーザーが最も多かった。その一方で、Dapper Labsが手掛けるNFTコレクションゲーム「NBA Top Shot」はNFTの週間ユーザーの大半を占める。CoinPost提携メディアのThe Blockの統計データによれば、NBA Top Shotは2月末時点で35万人のユーザーを記録した。
NFTへの関心が高まる中、米国のプロスポーツ市場での展開を図るチリーズの動向も注目される。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します