ビットコイン6万ドルの攻防が激化、過去の「半減期サイクル」基準では長期的な上値余地も
ビットコイン相場
2日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比+1.16%の663万円(59,900ドル)に。
乱高下しつつも、強力なファンダメンタルズを材料に上値を伸ばしており、当面は3月14日にマークした過去最高値61,800ドル(673万円)が意識されることになりそうだ。
デリバティブ市場の過熱感を示すFunding Rate(資金調達率)は、3月31日時点で0.072%。3月12日の直近ピーク時には0.121%に達していた。先物トレーダーが建玉ポジションをオープンに保つために支払う(受け取る)必要があるプレミアムを示すものである。
しかし、度が過ぎた場合の是正こそ繰り返されてきたものの、強気相場でOI(未決済建玉)の積み増しや上方乖離が加速すのは自然の摂理とも言える。
マイナー視点での相場の強さを裏付けるデータも明らかとなっている。ブロックチェーン分析企業ArcaneResearchレポートによると、21年2月のビットコインの採掘業者(マイナー)の収益は、過去最高の15億ドル以上を記録した。
マイニングにおける1T Hash単位の「収益性」は、20年5月の半減期でブロック報酬が12.5BTCから6.25BTCまで減少した時期境に大幅低下。20年10月に底値を付けたが、その後のBTC高騰価格高騰に伴い、大幅上昇している。
仮想通貨分析企業CryptoQuant社の独自指標であるマイナー・ポジション指数(MPI)では、年初の売り超過とは一転して採掘BTCの市場放出量を絞っていることから、中・長期的な強気相場を見据えた上で当面の資金繰りに余裕があるものとみられ、ネットワークの堅牢性を担保するマイナーの健康状態を示すサインは、極めて良好といえそうだ。
直近では、採掘速度(ハッシュレート)も過去最高を更新した。
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アナリストのLark Davis(@TheCryptoLark)氏は、ビットコイン「半減期」後の相場サイクルについて、以下のように繰り返していると強調した。
- 強気相場(Bull)
- 弱気相場(Bear)
- 買い集め期間(Accumulate)
過去の相場に照らし合わせるのであれば、現時点ではハーフ地点にすぎず、理論値では大幅な上昇余地があるとみる。一方、金融緩和の影響など外部環境を考慮したものではない点には留意したい。
著名アナリストRaoul Pal(@RaoulGMI)氏は、仮想通貨市場の全体時価総額が1.8兆ドルに達した意義を強調。「次の2〜3ヶ月で2倍になり得る」との見解を示した。
株式市場への上場カウントダウン
米最大手仮想通貨取引所コインベースのNASDAQへの株式上場が、4月14日に予定されることが判明した。公募価格を決めるIPO(新規株式公開)による資金調達は行わず、ダイレクトリスティング(直接上場)となる。
21年1月1日から3月15日まで、NASDAQプライベートマーケットで限定売買されたコインベース株の平均価格は、1株=343.58ドルとなった。時価総額に換算すると680億ドル(約7兆円)に相当する。
20年12月期決算は、前年同期比2.3倍の売上高12億ドルに達していた。4月6日には第1四半期の決算が事前共有される見込みだ。
国内では、仮想通貨取引所コインチェックが、IPOによる上場を検討している。
個別銘柄の動向
アルト銘柄では上昇が顕著だったファイルコイン(FIL)について、中国の有識者WuBlockchain氏が、「ファイルコインは中国市場で注目されている」と言及。中華マネーの流入が高騰の背景にあることを指摘した。
中国の仮想通貨企業関係者によれば、中国政府はインターネットインフラを構築する上で分散型ストレージネットワークのファイルコインのマイニングを事実上「推奨」しているとDecryptに明かし、水面下で行われるテック系の「冷戦」の国家方針にもフィットするとの事情を明かした。
他にも、XinyuanやNASDAQ上場するNinth Cityなどの大手中国企業もファイルコインをマイニングするためのインフラ出資を表明しており、価格を後押しする。
過去24時間では、中華系仮想通貨取引所HuobiでFILの出来高がイーサリアム(ETH)やビットコイン(BTC)を大きく上回る約2.6兆円を記録していたが、一方で足元の過熱感から、利益確定売りに押され急反落した。
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昨今の高騰の背景には、3月中旬に米グレースケール社が新たにファイルコインの投資信託の提供を開始したことも挙げられる。bybtのデータによれば、約45450FIL(約9億円)規模の現物を保有している。
4月15日には、ファイルコインのSAFT(Simple Agreement for Future Tokens)に基づき、新規発行量の減産が予定されており、こちらも需給面への好影響が考えられる。
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