米不動産投資企業がアルゴランドで不動産をトークン化、仲介者・ローン不要の市場提供へ

アルゴランドとVesta Equityの提携

米不動産投資企業Vesta Equityが、不動産購入および投資分野における、新たなソリューション提供を目的に、ブロックチェーン開発プロジェクト、アルゴランド(Algorand)と提携。アルゴランドのブロックチェーン上で住宅をトークン化し、仲介業者やローン不要の新規市場を構築していく。

ローン不要のP2P市場

Vesta Equityは、アルゴランドのパブリックチェーン技術とスマートコントラクト機能を活用し、住宅をトークン化することにより、住宅所有者および投資家を直接繋ぐピアツーピアの市場構築を目指している。

仲介業者が省かれることにより、住宅所有者はローン不要で住宅の所有権を完全に掌握できるようになる。また従来の住宅ローンや逆住宅ローン(持ち家などの不動産を担保に融資を受けること)と異なり、トークンの分割が可能であるというブロックチェーンの特性を活用することにより、住宅所有者は、トークン化された住宅の一部のみを投資家に販売することも可能だ。これらが全てP2P(ピアツーピア)で行われるため、複利や毎月のローン支払いなど不動産売買プロセスに伴う不便さや複雑さが緩和されることが期待される。

一方で不動産投資家は、仲介業者が不要となるため、住宅所有者へのアクセスが容易になり、種類や立地、そして価値などが異なる不動産で構成された多様なポートフォリオを、より柔軟に構築できるようになる。

また上記のメリットに加え、仲介業者を省くことによるコスト削減、データの閲覧および検証が可能なパブリックチェーンを基盤にすることで、市場および資産の透明性向上が期待される。さらにスマートコントラクトで契約を自動化することで、事務手続きの簡略化など、多数のメリットが双方に提供される見込みだ。

Vesta Equityは現在、カリフォルニア州の住宅を対象に、21年9月までの市場参入を目指している。その後は米国全土、そして長期的には北米全体へと対象地域を拡大していく予定だ。決済通貨には、アルゴランドのブロックチェーン上でサポートされているステーブルコインのUSDコイン(USDC)が利用される。

関連:ステーブルコインUSDC、Algorandブロックチェーンを採用

関連:アルゴランド版USDCが利用可能に──Algorand 11月マンスリーレポート|公式寄稿

両代表のコメント

Vesta EquityのCEO兼共同創設者のMichael Carpentier氏は、今回の新たな取り組みについて、以下のように述べている。

私たちの社会は債務社会となってしまったが、全ての人がより豊かになる未来を作り出すためには、この方向性を変えなければならない。Vestaでは、適切にテクノロジーを応用することが、これに対する答えだと捉えている。優れた処理能力、柔軟な構造、低コストなトランザクション手数料、およびトランザクション処理能力のスケーラビリティ(拡張可能性)を備えたアルゴランドとのパートナーシップ提携は、この考えを反映したものだ。

アルゴランドのCOOであるSean Ford氏は今回の提携について、以下のようにコメントした。

Vesta Equityとアルゴランドは、ブロックチェーン技術を活用して、より効率的かつ透明で安全な価値創造および価値交換を可能にしていくためのビジョンを共有している。アルゴランドの技術を活用することで、Vesta Equity社は住宅所有者や投資家にも機会を拡げ、よりアクセスしやすい新たな市場機会の創出に先頭となって取り組んでいる。ブロックチェーンの核となる原理を活用し、不動産市場を再定義しているVesta Equityのサポートができて、嬉しく思う。

不動産業界でのブロックチェーン実用化

アルゴランドのブロックチェーンが不動産関連のユースケースで活用されたのは、今回が初めてではない。2019年に不動産投資会社AssetBlockが、不動産投資用プラットフォームをアルゴランド上に構築している。

AssetBlockは、高級ホテルオーナー兼管理会社Lodging Capital Partners(LCP)と共同で、アルゴランド・ブロックチェーン上に構築されたプラットフォームにて、6,000万ドル(約65億円)相当のホテル資産をトークン化。トークン化されたホテルは、一般には公開されておらず、一部の投資家のみアクセス可能だ。アルゴランドのデジタル通貨「Algo」で購入できる。

AssetBlockは、数あるブロックチェーンの中からアルゴランドを選択した理由として、「グローバルな参入障壁の排除、参加者の分散化、投資家と投資機会を効率的に繋ぐ能力、ならびにAssetBlockが求める高度なセキュリティ基準およびコンプライアンス基準といった、ブロックチェーンが描いてきた潜在的可能性を提供している」点を挙げた。

一方のアルゴランドは、ブロックチェーン上のデジタル資産を現物資産と掛け合わせることにより、デジタル資産以外の資産を活用したいと考えている仮想通貨ユーザーも、多様なポートフォリオを作成できるようになり、従来の金融サービスに類似した幅広い融資条件の利点を享受できるようになるだろうと公式ブログで述べ、両業界間での連携強化へ期待を示している。

国内での不動産トークン化

国内では、アルゴランドと提携を結んでいるデジタル証券発行および管理プラットフォーム開発会社Securitizeの日本法人、Securitize Japanが、不動産や住宅関連のサービスを提供している株式会社LIFULL(ライフル)と共同で、国内初となる一般個人投資家向け不動産STO(セキュリティ・トークン・オファリング)を実施。有価証券をトークンの形で発行し、資金調達を図る方法であるSTOを、不動産に応用している。

ブロックチェーン上でのトークン発行により、第三者の証明の必要がなく自身の持ち分保有を証明できるだけでなく、スマートコントラクトを活用した仮想通貨とのDVP(Delivery VS Payment/証券の引渡し『Delivery』と代金の支払い『Payment』を相互に条件にすること)により、売買の一方当事者の債務不履行を防ぐことが可能になるという。

関連:国内初、一般個人投資家向けの「不動産STO」実現へ

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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