仮想通貨関連サービス導入が奏功、米大手決済企業ペイパルの1Q業績好調
ペイパルが1Qの収益発表
米決済大手ペイパルが、2021年第1四半期の決算を発表した。暗号資産(仮想通貨)サービスの導入も良好な結果をもたらしている。
同社の報告によると、3月31日締めの四半期収益は、前年同期比29%増の60億3,000万ドル(約6,600億円)した。1,450万人が新規アカウントを開設し、総アクティブユーザー数は3億9,200万に上った。
ペイパルプラットフォーム上の決済総額(TPV)は、前年同期の1,910億ドルから2,850億ドル(約31兆円)まで成長した。1株当たり調整後利益も、アナリストらの事前予想1.01ドルを上回る1.22ドル(約133円)を記録している。
米メディアCNBCによると、ペイパルのDan Schulman CEOは「仮想通貨関連サービスの戦略的導入は、素晴らしい結果につながった」と手応えを示した。
仮想通貨ユーザーの半数が、毎日ペイパルのアプリを開いており、使用頻度などユーザーのエンゲージメント(ユーザーとの繋がり)が高まっていることが示されるとCEOは説明している。
「次世代デジタルウォレット」も計画
PayPalは、第3四半期を目処に「次世代のデジタルウォレット」を展開する計画もあると明かした。 Schulman CEOによると、このウォレットは「様々なサービスをオールインワンで提供する、それぞれのユーザー向けにカスタマイズされたアプリ」で、ショッピングや金融サービス、決済サービスを提供するものになる見込みだ。
1Qの業績発表レポートは、仮想通貨関連の戦略的イニシアチブについて、米国ユーザーが仮想通貨売買に加えて、世界の数百万以上のオンライン店舗で、決済にも仮想通貨を使用できるようになったこと、傘下の送金アプリVenmoの顧客向けに、新たに仮想通貨の売買・保管サービスを開始したことを挙げている。
Venmoは、ペイパルと同様にビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)を扱っている。
またVenmoの他、仮想通貨取引所コインべースの米国ユーザーも、ペイパルのアカウントを利用して仮想通貨を購入できるようになった。
1ドルから購入可能
売買への対応を開始したPayPal傘下の大手送金アプリVenmoでは、1ドルから仮想通貨を購入することが可能。特別な口座を開設する必要もないため、ユーザーは気軽に仮想通貨への投資を始めることができる。
ユーザーは仮想通貨売買や、決済利用は可能だが、外部ウォレットに仮想通貨を送金することはできない仕組みだ。
通常、仮想通貨取引所などでは自社のプラットフォームから外部ウォレットへ仮想通貨が送金される際に、顧客身元確認(KYC)やマネーロンダリング防止(AML)などに関する課題が存在するが、ペイパルにとっては、こうした面で発生する自社負担を軽減できることにもなる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します