イーサリアムL2プロジェクト「zkSync」、2.0のテストネットが稼働

zkSync 2.0のテストネット

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2ソリューション「zkSync(ジーケーシンク)」は6月1日に、2.0版のテストネットがローンチされたことがわかった。

zkSyncはイーサリアムのネットワークトラフィック混雑を解決するために、Matter Labs(マターラボ)が開発するスケーリングソリューション。主な特徴として、極めて低い送金手数料・イーサリアムメインネットレベルのセキュリティ・ユーザーが資金を完全にコントロールすることといった点があるという。

これは主にzk rollup(ロールアップ)に基づく技術であり、ZK rollupはゼロ知識証明となるメカニズム「zkSNARK」が利用され、処理コストの高いデータをオフチェーンで処理することによってコストを大幅に削減するもの。「ロールアップ」とは、一度で複数のトランザクションのデータをオンチェーンに圧縮して保管するスケーリング技術で、処理に伴う計算はオフチェーンで行われるという。(GMOコインなど参照

今回はテストネットリリースで、zkEVMとzkPorterの2つの新技術が導入された。説明によると、zkEVM(zkイーサリアムバーチャルマシン)は、イーサリアムのブロックチェーンとの互換性を持つもので、トランザクションのセキュリティおよびプログラム言語「solidity」への対応を保証する。

そして、zkPorterとは、ほかのrollup技術よりも拡張性を高めることができる、オフチェーンのデータ可用性システムだという。

他のrollup技術との違い

現在、ArbitrumやOptimismなど、optimistic rollup(OR)の基盤技術上でL2ソリューションを開発するプロジェクトは複数あり、ソリューションも実用化しつつある状況だ。

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イーサリアムのスケーリングに対処するためにそれぞれ異なる特徴を備えているが、それぞれの違いについてMatter Labsは以下のように紹介。(あくまでMatter Labsの見解)

出典:Matter Labs

例えば、サイドチェーンでは、プログラム可能性およびスケーラビリティ性は高いが、セキュリティと非中央集権性は低い。optimistic rollupのほうは、セキュリティ、プログラム可能性および非中央集権性は高めだが、その反面スケーラビリティは比較的弱い。

一方、zkSyncはそれらの欠点を補うために、zkEVMとzkPorterを導入し4つの分野でメリットを最大限まで発揮できるとしている。

さらに、zkSyncについては、今後コンパイラーが完成されればテストネットは開発者に公開され、導入するプロジェクトのオンボーディングも行われる予定だと説明された。

SushiSwapもArbitrumへ

5月29日にメインネットベータ版がローンチされた「Arbitrum」では、大手DEXのUniswapのコミュニティが導入について投票を行っているほか、Uniswapの開発者はすでにインターフェースのサポート作業に取り掛かっており、スマートコントラクトの実装作業も予定している。

また、Uniswapのほか、ライバルDEXのSushiSwapは31日に、Arbitrumの導入作業に取り掛かっていることをSNSで明かした。SushiSwapはすでにBSC、Polygon、Fantomといったオルタナティブチェーンにも展開しており、積極的にマルチチェーンへの対応を実施している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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