時価総額上位の仮想通貨で構成するバスケット型投資信託、米SECの報告会社に

機関投資家レベルにマッチ

米最大手暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケールは、販売する「Digital Large Cap Fund」が米証券取引委員会(SEC)の報告会社となったことを発表した。

Digital Large Cap Fundとは

Digital Large Cap Fundは、グレースケールが提供する時価総額上位の銘柄で組成されるバスケット型投資信託。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、チェーンリンク(LINK)をそれぞれの比重で組成銘柄としている。

▶️仮想通貨用語集

報告会社(Reporting Company)になる目的は、金融商品として透明性や信頼性を向上させ、機関投資家マネーを呼び込むことにある。SECの報告会社となったことで、Digital Large Cap Fundには、財務状況など「1934年証券取引所法」が定めた情報をSECに継続的に報告する義務が発生する。

また、グレースケールが販売するビットコイン投資信託(GBTC)とイーサリアム投資信託(ETHE)は以前よりSECの報告会社となっており、Digital Large Cap Fundはそれらに次ぐ3番目となる。さらに、現在ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアムクラシック(ETC)、およびライトコイン(LTC)の投資信託に関しても報告会社となる申請を行っているという。

グレースケールのリーガルVPを務めるCraig Salm氏は今回の発表で、「Digital Large Cap Fundが我が社3番目の報告会社となり、他のアルトコイン投資信託でも申請を行っているというのは、規制された環境でデジタル通貨エコシステムへのエクスポージャーを持ちたい投資家の関心度が衰えていないサインだ」、「なお規制当局もデジタル資産の市場参加者と連携を続けている」とコメントした。

Digital Large Cap Fundの運用資産額は13日付で388億円に相当する。

投資信託とは

投資信託とは、投資企業が多くの投資家から集めた資金を一つにまとめて、国内外の株式や債券などに分散投資を行い、その運用成果を投資家に分配する1つの金融商品。

グレースケールでは、私募という「資金調達」のプロセスは適格投資家に限定されており、発行された投資信託の株式(GBTC等)は二次市場(OTCマーケット)で全てのトレーダーに取引されている。

▶️仮想通貨用語集

グレースケールのほか、米仮想通貨投資企業Bitwise Asset Managementが今年の4月、販売するインデックスファンド「Bitwise 10 Crypto Index Fund(BITW)」がSECの報告会社となる申請を行った事例もある。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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