ビットコイン急旋回で32000ドル回復、アルト市場は全面高
ビットコイン相場と金融マーケット
22日の暗号資産(仮想通貨)市場。
ビットコイン価格は、前日比+7.08%の352万円(31,950ドル)と反騰した。
売り過熱状態にある中で直近安値の28,900ドル付近が下値支持線として意識されたほか、米国株式市場の地合い回復に伴う投資家心理の改善、オンライン会議「The ₿ Word」の開催など、複合要因が反発を後押しした。
イベント開催時間の日本時間3時には32,750ドルまで反騰する場面もあった。イベント開始直後には1200ドル幅売られたが、その後揉み合っている。20日に跳ね返された31,000ドルの上値抵抗線をブレイクしたことで情勢に変化は見られるものの、一時的な反発に終われば底値割れリスクは軽視できない。
「The ₿ Word」は、仮想通貨ロビー団体のイノベーション評議会(Crypto Council for Innovation:CGI)が主催、米テスラ社のイーロン・マスクCEOやスクエア社のジャック・ドーシーCEOなど業界のキーパーソンが登壇した。
イーロン・マスク氏は、仮想通貨への支持を改めて表明し、将来的にクリーンエネルギー利用率に関する諸条件を満たした場合、テスラ社の「ビットコイン決済」受け入れ再開を示唆した。
宇宙関連企業SpaceXの保有を明らかにしたほか、イーサリアムに投資していることも明かした。
詳細:イーロン・マスク氏、自身のイーサリアム保有とSpaceXのビットコイン保有明かす
英暗仮想通貨投資企業CoinSharesのデータによれば、イーサリアムに対する機関投資家の需要は、前週比+1170万ドルに上った。3週連続で純流入を記録している。
著名アナリストのil Capo Of $NOIA(@CryptoCapo_)氏は、大衆が機を窺っている20,000〜25,000ドル水準で本当に買えるかどうかに疑問を呈し、ワイコフ理論を根拠にトレンド転換(底入れ)シナリオの可能性を唱えた。ワイコフ理論は、1930年にリチャード・D・ワイコフによって提唱されたもの。
もうひとつの根拠として挙げたのが、デリバティブ市場におけるファンディングレート(金利動向)、及びプレミアム(現物との価格乖離)の低迷である。Capo氏によれば、ビットコインマイナーと収益に関する「Puell Multiple」指標は、数日前に買いシグナルを示していたという。
個別銘柄の動向
Axie Infinity(AXS)が、前日比+34.1%の22.7ドルまで大幅回復した。ビットコイン急落を受け、前週比では-5.2%に留まるが、前月比では+613%と飛躍的な伸びを観測した。
背景には、5月初めにイーサリアムネットワークがサイドチェーン「Ronin」に移行して以降、高額化していたトランザクション手数料(ガス代)などで大きく低下していたユーザビリティ改善などがある。
Delphi Digitalの調査によれば、Roninチェーン稼働後、特に発展途上国におけるAxie経済圏への関心は指数関数的な伸びを示した。中でも、フィリピン、ベネズエラ、キューバが飛び抜けている。NFTゲーム市場の伸びを販売量で示したグラフを見れば一目瞭然だ。
分散型取引所UniSwapで取引可能なゲーム内トークンSmallLove Potion(SLP)は、前日比+23.7%の0.78ドルに達し、過去最高値を更新。前週比+14.2%、前月比+259%と上昇し続けている。4月25日時点では0.035ドルだったことから、3ヶ月で22.2倍にまで膨れ上がった計算だ。 SLPは、クエストやPvP(対人戦)のアリーナなどで獲得できる。
Axie Infinity(AXS)活況に乗じて勢力を伸ばしているのが、ブロックチェーン上に存在するメタバース(仮想世界)の主要銘柄であり、「コインチェック NFT」でランドの販売を行うThe Sandbox(SAND)などのNFTゲーム銘柄群である。
発展途上国を中心に、AXSなどブロックチェーンゲームで生活費を稼ごうとする向きが急増していることから、NFTゲーム市場への資金流入傾向は当面続く可能性も考えられる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します