仮想通貨XRPは過去最高の日間取引量を記録=リップル社Q2レポート
リップル社のQ2レポート
米リップル社は29日、四半期毎に配信しているQ2レポートを発表。暗号資産(仮想通貨)XRP(リップル)の売却状況や活用事例、SECとの訴訟の進展などをまとめた。
2Qの総括
リップル社は2Qにおいて、相場は下落要因が絶えなかったと振り返った。相次ぐランサムウェア攻撃や環境問題、イーロン・マスクのツイートや規制当局の摘発が相場の不調につながったとした。
20年2月から21年4月までのおよそ1年(396日)間で、時価総額は15倍に拡大。しかし4月22日以降、相場全体が20%下落したと解説した。
他にも中国当局による仮想通貨事業者への摘発強化、ハッシュレートの低下などを要因として挙げた。
規制環境
また、各国の規制環境についても言及。英FCA(金融行動監視機構)やシンガポール金融管理局(MAS)が仮想通貨企業にライセンスを申請するシステムを策定していると紹介。対照的に消費者保護や正常な市場を促す規制ガイダンスを提供していないアメリカを批判した。
目下SEC(証券取引委員会)と進行中の訴訟については、Q2における主なアップデートとして以下を挙げた。
- 裁判側がリップル社によるSECの内部資料へのアクセスが認められた。このような依頼が認められたのは今回が通算3度目。
- SEC側のリップル社の弁護士との連絡の開示依頼を裁判側が却下。
リップル社側は現在、訴訟は情報交換や書類や証言をとる証拠開示(ディスカバリー)段階にあると説明。当初の予定では、8月31日に完了して、10月15日に専門家ディスカバリーを経るはずだが、SEC側は6週間の延長を要請していると述べ、リップル社はこの延期を全力で阻止して早急に訴訟をスムーズに進めていくとした。
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XRPの売却
また、リップル社が販売するXRP額は、前四半期とほぼ同水準の約170億円(1.57億ドル)を記録。このXRPは、リップル社の送金ソリューションであるODLにおける資金不足を解消するために活用されたという。
なお、仮想通貨データ企業CryptoCompare社の提供するCryptoCompare TopTier(CCTT)指標によれば、これらの販売されたXRPはQ2の総取引量の0.04%に相当すると説明。前四半期のXRP販売額は総取引量の0.07%だったとした。
Q2では30億XRPがエスクロから解除されたが(毎月10億XRP)、総額27億XRPが再びエスクロー契約に凍結された。
オンチェーンデータ
また、上述のCCTT指標によれば、XRPの日間取引量はQ1からQ2にかけて増加。日間平均取引量は22.6億ドルから44.9億ドルと約2倍になった。日別では、XRPの日間取引量は過去最高を4度更新するなど、Q2前半における取引の活況が目立った。
一方、銘柄別のボラティリティ(日間収益率の標準偏差)は11.5%を記録。Q1の9.0%から増加を見せ、ビットコイン(BTC)の5.0%やイーサリアム(ETH)の7.3%を上回っているとした。
XRPの活用事例
さらに、リップル社は仮想通貨XRPの活用事例を紹介。ブロックチェーン・プラットフォームのSwissborgがXRPを対象としたイールドウォレットをローンチしたほか、XRP建の計31の取引ペアを新規上場した。
XRP台帳では、ブロンチェーン上のトークン化を勧める動きもみられており、最近ではリップル社がNFTマーケットプレイスのMintableを買収したと報告。NFTは新たな事業モデルや、経済圏の拡大を促進させる長期的なポテンシャルを持っているとして、高く評価した。
さらに、リップル社は欧州圏のマネジング・ディレクターとして新たにSendi Young氏が就任したと報告。
リップル社の顧客ベースの約25%がいる欧州圏ではODL取引量は2020年と比べると250%増加しているという。年初来のODL取引量では4割が欧州圏での取引になるなど、ヨーロッパでの利用率が増えているとした。
欧州以外でも、アジア太平洋地域ではオーストラリアとフィリピンを繋ぐNovatti社とiRemit社がODLを活用していると述べた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します